(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2020年7月27日
7月26日 第420回放送
人と人が対面すると会話(コミュニケーション)が生まれます。新型コロナウイルスは
その関係を阻むように真正面の会話を避け、身体的距離を確保し、移動制限を強いて、
人間社会の営みを否定、人間関係を分断し、共感なき社会の出現が懸念されています。
今回のテーマは「新しい日常のなかでのコミュニケーションについて」語り合います。
鎌田さんがコロナ時代の今こそ求められると挙げたのが「バリデーション」の考え方。
「バリデーション」とは、認知症の分野で、世界的に注目されているケア技法の一つで
バリュー(価値)に由来し、相手の価値を認めること。認知症の人も「価値ある人」と
して敬意をもって対応すると暴力や迷惑行為を起こす患者も穏やかになるといいます。
「バリデーション」の具体的な技法は「傾聴する・共感する・誘導しない・受容する・
ごまかさない」の5つです。例えば「共感」し合える関係は、互いを敬える関係です。
家庭内の夫婦や親子の関係でも職場でも、この5つの技法を取り入れて自分たちの生活
を見直し、まずは身近な人を「価値ある人」と認める習慣をつけること。きっと今以上
に素敵な人間関係が生まれるはずです。バリデーションの中で育った人間は、バランス
のいい人間になり、しかも自信を持っているので、壁を突破する力があります。コロナ
を機に共感力をつけ、日本が魅力的で面白い国になる事を期待している鎌田さんです。
村上さんは劇作家で演出家の鴻上尚史さんの本『コミュニケーションのレッスン』から
どんなことでも少しずつの積み重ねが上達を生むとして、コミュニケーションも興味を
失わず、少しずつ練習を続けたら間違いなく上達する。具体的には「聴く・話す・交渉
する」3つの技術。単に伝達するだけでなく、感情や想像力を交えると伝わると指摘。