(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2020年4月27日
4月26日 第407回放送
「彼を知り己を知れば百戦殆からず」は、春秋時代の軍事思想家・孫武が書いた兵法書
『孫子』の謀攻篇の一節です。これを模して「新型コロナを知り、自分の状況を知れば
百選殆からず」と副題をつけた『新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書』
を作成した『諏訪中央病院』総合診療科医師の玉井道裕さんが電話出演し解説します。
『新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書』は、かわいいイラストとともに
やさしい言葉で解説していると好評で、企業や全国各地の自治体で活用されています。
玉井先生は「コロナを正しく怖がるのが大事」として「知識を身につければ戦える」と
説明書を作成しました。カゼと新型コロナの症状の違いは?発熱しても直ちに病院に行
かない方がいい理由は?など基礎的な疑問に答えます。感染拡大を防ぐために各個人が
実行すべきことを例に挙げ、感染予防で百点をとるのは無理でも一人ひとりが出来る事
を確実に実行するのが大事!と強調。全世界で新型コロナと戦っている人々がいます。
その人々を支えている家族の存在もあります。お互いに感謝の気持ちをもってこの新型
コロナとの戦いに勝利しましょう!誰かが戦っているではなくみんなで戦いましょう!
また「花を咲かせられないなら根を伸ばす」は仕事も学校も休みで屋外活動が制限され
ている時は、普段しない内省や整理をして過ごすという発想への切り替えを勧めます。
『新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書』と『続編~やるべきことが分か
る、やらないとどうなるか分かる~』第3弾『地方版~準備はいかがですか~』そして
第4弾『全国版~ふんばり所です~』日々刻々と変わる感染拡大の状況にあわせて作成
した「説明書」は『諏訪中央病院』のホームページで閲覧、ダウンロードも可能です。
2020年4月20日
4月19日 第406回放送
世界中が感染拡大の恐怖に戦く新型コロナウイルスは忌み嫌われているウイルスですが
哺乳類は長い進化の中でウイルスの働きのよって胎盤が発達してきたので、ウイルスが
いなかったら人間は存在しない!と話す「生命誌研究者」中村桂子さんがゲストです。
「どんなに機械化が進み、便利な世の中になっても、自分の身を守るのは丁寧な手洗い
とウガイでしょう。幼稚園から続けています」という中村さんに頷く鎌田さん村上さん
『JT生命誌研究館』名誉館長の中村桂子さんは昭和11年生まれの84歳。生命誌の
提唱者で大阪・高槻市にある同館に27年勤務。生命誌とは38億年前に誕生した細胞
から始まる全ての生き物の歴史の繋がりの中から、人間を含む生き物を捉え直す研究。
生命史ではなく生命誌とした理由は、歴史というと信長や秀吉など歴史上の人物が中心
になるが、その時代には武将だけでなく農民も漁民も、女性も子供達も大勢いました。
人間の生産活動の場である田畑や海にも多様な命が息づいていました。時間的出来事の
ほんの一部分を抜き出すのではなく、戦国武将もアリもタンポポもバクテリアも全てが
地球に生きる一個の生命体という意味では同じという考え方から、人間も生き物の一つ
と捉えると社会の問題も浮かび上がるという。地球上には五千万種類以上の生物がいる
と推定、そのうち名前がついているのが150万種類くらい。熱帯雨林の昆虫で名前が
あるのは4%で96%は分からない存在。虫けらなんて言い方は失礼という中村さん。
学生時代にDNAの二重螺旋の模型に興味を持ち、映画でオードリー・ヘップバーンが
螺旋階段を降りてくるシーンに憧れ、体内にも美しい螺旋形があることに喜びを感じた
のがこの道に入る切っ掛け。自然なグレーヘアがお似合いの生命誌を紡ぐ研究者です。
2020年4月13日
4月12日 第405回放送
新型コロナウイルス感染症対策のため、特別措置法に基づく「緊急事態宣言」が発令さ
れました。東京など7都府県は一様に住民に外出自粛を強く求めていますが営業自粛を
要請する対象への対応は分かれました。この話題と後半は明るい話題をお届けします。
この度の「緊急事態宣言」発令に対しては「遅い・緩い・貧弱」という声もありますが
医療提供体制が逼迫している現状を考えると、国民が一つになり自ら行動制限を掛けて
国難に立ち向かうべきという鎌田さんと村上さん。感染拡大を防ぐためソーシャルディ
スタンス(社会的距離)を取るように求められています。人混みを避け、握手はしない
話す相手と2メートルの距離を保つ等ですが、ここで鎌田さんが提唱するのは「離れて
繋がる」という考え方。介護の現場では繋がっていないとフレイル(虚弱、筋力低下)
や認知症が進行してしまうし、子供達も休校が続くと学業の遅れも出てくるのでオンラ
イン授業を可能にする端末を早急に配布して、パソコンや電話の繋がりが大切と説く。
この機に一人一人が意識を変えれば社会も変わり、日本も世界も変わっていくと期待。
後半は「日本競輪選手養成所」の瀧澤正光所長が電話出演し"令和の怪物"と呼ばれる
スーパールーキーについて鼎談。先月、同所を訪れた村上さんは選手候補生に3時間の
講義をし、熱心に聴講した男子70名、女子21名も3月24日に無事卒業しました。
ただし同期で史上初めて去年12月に早期卒業して、プロデビューした選手がいます。
デビューから13連勝の菊池岳仁選手(19歳)と19連勝の寺崎浩平選手(26歳)
で、在所中からそろって養成所記録を更新する抜群の身体能力と勝負勘を持ち合わせて
将来の競輪界を背負う逸材と期待されており、日本代表の「パリ五輪」の候補生です。
2020年4月 6日
4月5日 第404回放送
コロナウイルスの災禍は、ほぼ全世界に広がっており、終息のめども立っていません。
見えない敵がどこに潜んでいるのか分からないからこそ厄介です。個々に感染を防ぐ手
立てを講じ、リスクを下げることです。今朝から6時20分スタートになった当番組は
「朝の光を浴びるとなぜ健康に良いのか」と「お勧めのウォーキング」を紹介します。
軽度の睡眠障害に悩む日本人はおよそ1000万人とされています。そこでお勧めする
のが、朝の光を浴びること。陽の光を浴びるとセロトニンという幸せホルモンが出て、
一日をポジティブに楽しく生きる切っ掛けになります。セロトニンは夜になるとメラト
ニンに代わり、これが良い睡眠に誘導してくれる物資になります。いわば幸せホルモン
の良い循環が生まれます。又、光を浴びることで体内時計がリセットされるという話。
一日は24時間、一方体内時計は25時間なので、この1時間のずれが体調を崩す要因
とされています。これを克服するためには、朝起きたら陽の光に当たることと、朝食を
食べることが大切で、これよって体内時計がリセットされます。鎌田さんは長年に亘り
睡眠時間4時間半を貫いてきましたが「国立長寿医療研究センター」の65歳以上対象
にした「起床就寝時刻」調査結果を見て、遅い就寝時間や睡眠時間の少ない人は認知症
の発症リスクが2倍近く高いことを知り、記憶力の低下も相まって起床時間は自然体に
切り替えました。短期記憶と長期記憶を司る脳の働きに関与するから睡眠は大事です。
後半はウォーキング健康法。一日8000歩を目指して、骨盤底筋群を刺激するために
外又歩きは辞め、歩幅はプラス10センチ広く歩くと良い。更に歩きながら「引き算」
1000から7や13を引きながら歩くと、脳と足腰に良いという。お試しください。