(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2020年3月30日
3月29日 第403回放送
この時季になると思い出す「年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず」唐代の詩人
劉希夷の詩の一節です。2012年4月にスタートした番組の担当者は8年間変わらず
満開の桜を愛でてきましたが、今年ほど例年と異なる気持ちで眺めた事はありません。
主要国の大都市封鎖、経済危機、東京五輪を延期にした新型コロナウイルスの感染拡大
です。まさに世の中が「緊急事態」の中での『日曜はがんばらない』をお届けします。
ドクター鎌田が世界で猛威を奮るう「新型コロナウイルス」について2つの特長を頭に
入れて欲しいと説く。まず「致死率は高くない!」という点。WHO(世界保健機構)
が発表した同ウイルスによる「新型肺炎」の致死率は、季節性インフルエンザの致死率
より高いがコロナウイルス仲間である「サーズ」や「マーズ」に比べれば格段に低い。
2点目は「感染力は高い!」ということ。感染経路は飛沫感染と接触感染とエアロゾル
感染も指摘されている。その対処法としては手洗い、うがい、部屋の換気。たいていは
軽症ですむが、高齢者や持病のある人は特に注意する必要があり、周囲の人はリスクの
高い人たちに感染させない配慮が必要だといいます。来週からは「放送時間の変更」に
ともない『日曜10時のがんばらない』は本日が最後の放送になります。そこで8年間
を振り返り、多士済々のゲストとの想い出や、本・映画・音楽・偉人伝などシリーズ化
した番組の自称名物コーナーを紹介。印象深い絵本として挙げた『100年たったら』
は、ライオンと鳥がたどる、はるかな時と巡る命を描いた、せつなく壮大な物語です。
8年間毎週「いのちが喜ぶ時間」をお届けしてきましたが、9年目は更に内容を充実!
◆来週4月5日(日)から放送時間が「日曜日の朝6時20分スタート」乞うご期待◆
2020年3月23日
3月22日 第402回放送
新型コロナウイルスの感染が世界中に広がっています。中国の武漢で1月下旬から感染
者が急増している報を受け、日本で中国語試験を行う事務局が支援物資を送りました。
その箱に書かれていた「山川異域風月同天」が中国で話題になりました。千三百年前の
奈良時代の長屋王が遣唐使に託した言葉です。時代を超えて感銘を受ける不滅の言葉が
あります。今回は「言葉」にこだわった「鎌田・村上のおススメの本」を紹介します。
村上さんは阿川佐和子著『老人初心者の覚悟』を挙げる。歳を重ねるにつれヒタヒタと
迫りくる老化現象の数々に、その都度嘆きつつも「ま、そんなものか」と諦観してきた
阿川さん。強気になったり弱気になったりを繰り返し日毎に弱っていく現実を思い知り
その楽しみと哀しみを噛みしめる事も無駄ではないと宥め諭す姿に同感する村上さん。
京都大学総長山極寿一&爆笑問題太田光共著『言葉が暴走する時代の処世術』で現代は
表面的な言葉だけが暴走していると指摘。分かり合う、交じり合う為の対話が大事なの
にもかかわらずそれがなされず。言葉は本来あらゆる手段を駆使して和解を求める手段
だったはずだが「単なる記号」になり果てた。大切なのは「共感」と「関心」という。
他に「ソフィアの森ボイスアカデミー」主宰の斉藤ゆき子著『奇跡の朗読教室』を紹介
鎌田さんは5ミリ以下のプラスチック「マイクロプラスチック」の中にある化学物質が
海洋汚染の誘因と警鐘を鳴らす堅達京子著『脱プラスチックへの挑戦』を紹介。温暖化
の原因として石油からの製造過程での排気や焼却時にも二酸化炭素の排出を指摘する。
プラ製ストローやコップを禁止する各国の政策やケニアでレジ袋禁止という話を紹介。
増本康平著『老いと記憶』は記憶力が衰えても成長可能で柔軟に老いるヒントを説く。
2020年3月16日
3月15日 第401回放送
3月11日、今年の鎌田さんはテレビ中継のため福島県の双葉駅にいました。大震災と
原発事故の影響で不通になっていたJR常磐線9年ぶり全線運転再開目前の駅前から、
被災した駅周辺の整備が進む一方で、被災住民の帰還は進まない課題を報告しました。
更に石巻市で被災ピアノ修復活動を続けた井上晃雄さんとの未だ果たせぬ約束を吐露。
今週は、先週に続きオリンピックイヤーにちなんだ『歌で世界を巡るパート2』です。
56年前の「東京オリンピック」の際に『幸せなら手をたたこう』が世界に拡散した説
から日本と繋がりのある海外の音楽を紹介。ヨーロッパ編アメリカ編を紹介しましたが
けさはもう1曲。米国民の愛唱歌で1世紀以上にわたり国民の心をつかんで離さない歌
『私を野球に連れてって』です。南下してメキシコの「マリアッチ」の名曲でおなじみ
『シェリト・リンド』は日本でもファンの多いトリオ・ロス・パンチョスの歌唱です。
更に南下して"南米"ラテンアメリカの民族音楽を「フォルクローレ」といいますが、
エクアドル、ペルー、ボリビア、チリ、パラグアイ、アルゼンチンの各地にはそれぞれ
独自性に富んだ「フォルクローレ」があります。その中から有名な曲を挙げるとすると
ペルーの『エルコンドルパサ/コンドルは飛んでいく』でしょう。1970年に独自の
英語歌詞をつけてサイモン&ガーファンクルが発表するとたちまち世界的な大ヒット。
「フォルクローレ」からもう1曲。日本では『花祭り』としておなじみアルゼンチンの
『エル・ウマウアケーニョ』をグラシェラ・スサーナの歌でお届けします。カリブ海に
浮かぶ島々は個々に独自の音楽を持ちますが、今回はジャマイカの『バナナ・ボート』
ハリー・べラフォンテが歌唱。最後はハワイアンの『アロハ・オエ』で締め括ります。
2020年3月 9日
3月8日 第400回放送
東日本大震災からまもなく9年です。やっとここまで?まだまだこれから?被災地復興
は着実に進んでいる一方で、時間の経過とともに被災地への関心は薄れ、震災の風化が
懸念されています。災害は時が経つにつれて過ぎ去っていくものではなく、新しい災害
に近づいていると認識する必要もあります。当番組は大震災の翌年春に始まったことも
あり折に触れて被災地へ想いを馳せながら語り、今回が放送回数400回になります。
400回記念に選んだテーマはオリンピックイヤーに因んで『歌で世界を巡る』です。
1964年の「東京オリンピック」に訪れた外国人選手や観戦客が、当時日本で流行中
の『幸せなら手をたたこう』を各国に広めた説があります。同曲の作詞をした木村利人
さんは1959年フィリピンのマニラ市郊外で聞いた子らが歌うメロディに興味をもち
日本語の歌詞をつけましが、調べるとスペイン民謡が原曲であることが判明しました。
西洋と日本をつなぐ曲には、古いドイツ民謡の『幼いハンス』が唱歌の『ちょうちょ』
フランス民謡のメロディにイギリスの詩を合わせて誕生したのが『きらきら星』であり
3月の卒業シーズンに耳にする『蛍の光』は、スコットランド民謡『オールド・ラング
・ザイン』が原曲とされています。1881年に「小学唱歌集初編」で発表され作詞は
国学者・教育者の稲垣千穎が担当しました。ロシア民謡といえば『カチューシャ』とか
『トロイカ』が知名度では双璧です。鎌田さんはチェルノブイリ原発事故で風下の町と
なったベラルーシのチェチェルスクの公会堂で『カチューシャ』をロシア語と日本語で
歌った想い出を語りスタジオで披露。最後はアメリカで19世紀から歌い継がれている
『大きな古時計』を紹介。1962年のNHK「みんなの歌」で国内に広まりました。
2020年3月 2日
3月1日 第399回放送
最近俳句を楽しんでいる村上さんが「ボクたちの好きな日本人」として挙げた松尾芭蕉
俳句を芸術の域にまで高め「聖俳」と呼ばれる蕉の名句を紹介。一方、鎌田さんは古今
の著名人の最期を紹介し生き上手、死に上手を説く「ボクたちの好きな日本人」です。
芭蕉の有名な「古池や蛙飛び込む水の音」は、蛙が音を立てて池に入ったそれだけの事
ながら、実は宇宙誕生からの時間から見たら、人の一生は蛙が水に飛び込みポチャンと
音がしたほどの短い時間。人生はあっという間だから今を大切に生きるべきだと教え、
寂しさを大事にした芭蕉の「憂き我をさみしがらせよ閑古鳥」の句は、人は寂しいとき
欲望がなくなり、キレイな気持ちになれるという。芭蕉が何を大切にして生きてきたか
を知ることができる十七文字には、奥深い示唆にとんだ教訓が込められている。芭蕉の
すべてに通じるのは「昨日のことは、どうにもならない。明日はどうなるかわからない
だからこそ、今日一日を喜んで楽しく生きよう。さすれば優越感も劣等感もいらない」
鎌田さんは戦国武将の武田信玄の「葬儀は無用。死は三年隠せ。骨は諏訪湖に沈めよ」
「東海道中膝栗毛」の十返舎一九が棺桶に花火を仕込んで参列者を驚かせようとした。
江戸から明治にかけて活躍した思想家で政治家の中江兆民や、昭和の社会学者鶴見和子
の最期を紹介。鎌田さん自身は住職に読経3分で切り上げ、その後の直会(なおらい)
は、境内にテントを張って寿司と鰻とステーキとカレーを振舞うとことに決めている。
勝海舟が眠る大田区洗足池の公園内に昨秋「勝海舟記念館」が完成し赴いた村上さんが
感銘を受けた海舟の生き様と言葉を紹介。若い頃の極貧生活、20回にも及ぶ襲撃事件
徳川慶喜との恩讐を超えた付き合い、波乱万丈の人生から滲み出た言葉に鼓舞される。