(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2019年11月18日
11月17日 第384回放送
「箱根山、駕籠に乗る人担ぐ人、そのまた草鞋を作る人」は、落語に出てくる諺ですが
世の中はさまざまな職業の人々がいて成り立っており、お互いに持ちつ持たれつです。
この諺を思い出した切っ掛けは鎌田さんが紹介したイタリア在住のジャーナリスト内田
洋子著『モンテレッジォ~小さな村の旅する本屋の物語~』で、今回は本の特集です。
ヴェネツィアの内田さんの近所にある古書店はとても居心地が良く、店主に修業先を尋
ねると「代々、本の行商人だった」という。トスカーナ州モンテレッジォはとても辺鄙
な山深い村で、いまは32人しか住んでいない寒村。やせた土地で特産品もないことか
ら男たちは出稼ぎに出た。16世紀初頭から村人は聖者の御札や暦をイタリア各地で売
り歩き、やがて本を売るようになり、出版社から直接仕入れて行商した。出版社は彼ら
にゲラを読ませて印刷するかどうかを決めていたこともあるという。行商先では客の顔
を見て一冊の本を勧めた。かつてはイタリアの人知れぬ山奥に、本を愛し、本を届ける
ことに命を賭けた行商人がおり、彼等は各地に根付いて本屋を営み子孫が継いでいる。
村上さんは永六輔著『悪党諸君』と隈元信一著『永六輔~時代を旅した言葉の職人~』
を紹介。前者は永さんが全国の刑務所を訪ね歩いた慰問講演集。塀の中の懲りない面々
に、笑いあり涙ありの名説法の数々。後者は永さんと親交深かった著者が綿密な取材と
深い愛情を持って書いた本で、永さんの計り知れない多面体ぶりを見事に纏めている。
その他にチョ・ナムジュ著『82年生まれ、キム・ジヨン』は韓国女性なら誰でも経験
する男女の不平等や苦悩を描き、韓国で社会現象を巻き起こしたミリオンセラー小説。
境野勝悟著『手ぶら人生~禅が教えるいい歳の重ね方』は、禅で生きるのがラクになる