(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2019年11月25日
11月24日 第385回放送
認知症患者は460万人、予備軍は400万人とされています。認知症にならないため
には、どうしたらよいのでしょうか?今回は「認知症の予防」をテーマに取上げます。
「軽度認知障害」から元に戻ったリバーター山本朋史さんの貴重な体験も紹介します。
「認知症の予防」に関して3つのポイントを紹介。第一は運動をおこなうこと!第二は
食事に気をつけること!そして第三は社会的な活動に参加すること!高血圧、高脂血症
肥満、糖尿病などのメタボリックシンドロームは、脳血管性認知症だけでなくアルツハ
イマー型認知症においても危険因子と考えられ、その予防としての運動がお薦めです。
食事もメタボを予防する食事が重要なポイントになります。中年期を能動的に過ごすと
老年期の認知症予防につながるので、社会の中での交流が認知症予防につながります。
元朝日新聞記者の山本さんは、62歳のときに「あれ変だぁ」を体験。物忘れが頻繁に
なり、取材中に字が書けなくなる。思い切って大学病院の「物忘れ外来」を受診すると
後頭部の血流が悪いことを画像で示されて「軽度認知障害」と告げられました。それを
機に薦められた「認知力アップデイケアトレーニング」を記者の仕事を続けながら一心
不乱に取り組み、物忘れやミスの回数も徐々に減少。中でも効果を発揮したのは筋肉ト
レーニングで、痛みを感じるまで負荷をかけること。この痛みを感じることが特に大切
であり、集中することも重要なポイントです。その体験を綴ったのが『ボケてたまるか
~62歳認知症早期治療実体験ルポ』と、2年で認知機能も回復し『認知症がとまった
~ボケてたまるか実体験ルポ』を上梓。軽度を放置すると4年で半数が認知症になるが
早期にケアすれば4割は治るとされ、山本さんは早期発見と治療を呼び掛けています。
2019年11月18日
11月17日 第384回放送
「箱根山、駕籠に乗る人担ぐ人、そのまた草鞋を作る人」は、落語に出てくる諺ですが
世の中はさまざまな職業の人々がいて成り立っており、お互いに持ちつ持たれつです。
この諺を思い出した切っ掛けは鎌田さんが紹介したイタリア在住のジャーナリスト内田
洋子著『モンテレッジォ~小さな村の旅する本屋の物語~』で、今回は本の特集です。
ヴェネツィアの内田さんの近所にある古書店はとても居心地が良く、店主に修業先を尋
ねると「代々、本の行商人だった」という。トスカーナ州モンテレッジォはとても辺鄙
な山深い村で、いまは32人しか住んでいない寒村。やせた土地で特産品もないことか
ら男たちは出稼ぎに出た。16世紀初頭から村人は聖者の御札や暦をイタリア各地で売
り歩き、やがて本を売るようになり、出版社から直接仕入れて行商した。出版社は彼ら
にゲラを読ませて印刷するかどうかを決めていたこともあるという。行商先では客の顔
を見て一冊の本を勧めた。かつてはイタリアの人知れぬ山奥に、本を愛し、本を届ける
ことに命を賭けた行商人がおり、彼等は各地に根付いて本屋を営み子孫が継いでいる。
村上さんは永六輔著『悪党諸君』と隈元信一著『永六輔~時代を旅した言葉の職人~』
を紹介。前者は永さんが全国の刑務所を訪ね歩いた慰問講演集。塀の中の懲りない面々
に、笑いあり涙ありの名説法の数々。後者は永さんと親交深かった著者が綿密な取材と
深い愛情を持って書いた本で、永さんの計り知れない多面体ぶりを見事に纏めている。
その他にチョ・ナムジュ著『82年生まれ、キム・ジヨン』は韓国女性なら誰でも経験
する男女の不平等や苦悩を描き、韓国で社会現象を巻き起こしたミリオンセラー小説。
境野勝悟著『手ぶら人生~禅が教えるいい歳の重ね方』は、禅で生きるのがラクになる
2019年11月11日
11月10日 第383回放送
先週は「全日本大学駅伝対校選手権大会」の中継で番組休止。2週間ぶりの放送になり
この間に鎌田さんは、千曲川の氾濫で被災した地域への支援、チョコ募金イベント参加
「がんばらない介護生活を考える会」のセミナー出席と多忙な日々。同様に村上さんも
「うれしいことばの種まき」で東奔西走の日々でした。きょうのゲストも月の半分以上
は「旅の空」という"円熟のジャズヴォーカリスト"中本マリさんをお迎えしました。
中本マリさんは1947年に仙台市で生まれ、声楽家でピアノ教師の母親の薫陶を受け
幼少からピアノとクラシック・バレエを学び、「東北児童合唱団」で歌う楽しさを知り
高校は東京の「東邦音楽大学付属高校」声楽科に進み、高校在学中からプロ活動並行。
銀座の「ライブハウス」でスカウトされてジャズ・ヴォーカルに転向し、1973年の
デビューアルバム『アンフォゲッタブル』がヒット。海外著名ジャズプレーヤーと共演
し『スイングジャーナル誌』読者人気投票で8年連続第一位に選出され、ジャズヴォー
カリストの第一人者となり、現在は国内外のジャズ・フェスティバル、ホール、ホテル
ライブハウスなど様々なステージで歌っています。八ヶ岳山麓の小淵沢に別荘を構えた
のは30年前で、星空や自然環境に惚れ込み、遂に別荘をリフォームして定住を決意。
「諏訪中央病院」の研修医が結んだ鎌田さんとマリさんの逸話や、浅田真央さんが育て
た人参をマリさんが食した話。さらに健康のために「朝食は必ず食べる主義」という。
お届けするのは3曲。ドン・セベスキーがマリさんの為に作曲『Too Many Springs』
多くの歌手がカバーする名曲『Georgia On My Mind』邦題は「我が心のジョージア」
世代を超え歌い継がれる『What a Difference a Day Made』邦題は「縁は異なもの」