(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2019年8月19日
8月18日 第372回放送
岩手県の「なかほら牧場」は一年を通して山に牛を放牧して飼育する日本では数少ない
山地酪農を実践しています。牧場長の中洞正さんの取組を紹介した『しあわせの牛乳』
(ポプラ社)が「児童文芸ノンフィクション文学賞」を受賞しました。著者の佐藤慧・
写真家の安田菜津紀夫妻を招き、今回のテーマは「人と自然との共生について」です。
岩泉町で山地酪農をしている「なかほら牧場」には搾乳用の牛舎があり、夕方になると
牛たちは牛舎に搾乳のため自ら集まって来ますが、搾乳が終わると放牧地に戻ります。
糞尿処理は自然まかせですから糞を肥料にして育った野シバや冬はサイロの乾草を食べ
自然に交配し分娩。産後2か月程度まで自然哺乳で、ストレスの少ない環境で健康な牛
を育て「牛なり・山なり・自然なり」の酪農で山林と共生しています。佐藤さんは陸前
高田市で東日本大震災を体験。親族を失った悲しみと苦しみから、僅かな希望を探そう
ともがく中で「なかほら牧場」で触れた自然との共生が苦しみを優しく癒してくれると
感じ、この本を書く切っ掛けになったといいます。自然と人間がともに健やかに生きて
いく術を考える切っ掛けになる一冊です。後半は、JIM-NETと佐藤慧さんを繋ぐ
活動を紹介。大学時代に音楽を専攻した佐藤さんはギターも御手の物。2016年には
ギタリストでヴァイオリニストのSUGIZOさんとヨルダンの難民キャンプを訪れた
際にJIM-NET職員の斉藤亮平さんと3人でバンド『ババガヌージュ』を結成して
娯楽や情操教育の機会が少ない難民キャンプで音楽を含む活動をした経験があり、それ
以来ヨルダン、パレスチナなどで音楽による文化交流を続けて来ました。今年も9月末
にイラクとヨルダンで交流し、11月のチョコ募金キックオフイベントにも参加予定。