(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2019年7月 8日
7月7日 第366回放送
江戸時代、不法な夫から妻を救済する幕府公認の縁切寺(駆け込み寺)は鎌倉の東慶寺
と群馬の満徳寺が有名です。新宿歌舞伎町で現代版の駆け込み寺を開設する「公益社団
法人日本駆け込み寺」にはDV、虐待、いじめ、自殺願望、依存症に加えて出所者まで
17年間で5万人が相談し「どんな過去でもやり直しはきく」と寄り添う玄秀盛さん。
玄さんが「日本駆け込み寺」発足の原点になった恩師との逸話をたっぷりと語ります。
玄さんが師と仰ぐのは、天台宗大阿闍梨の酒井雄哉師。7年がかりで約4万キロを歩く
比叡山延暦寺の荒行「千日回峰行」を2度満行し「生き仏」と称され、6年前に87歳
で遷化された天台宗僧侶。仏道の中でも最も厳しいとされる荒行を2回満行した行者は
比叡山の長い歴史の中でも3人しかいないという至難の行です。最大の難関は七百日目
の「堂入り」で9日間の断食、断水、不眠不休を続け、ひたすら不動明王と一体となる
ことを願う荒行で、師が2回目を満行したときは60歳という最高齢での達成でした。
一方の大阪生まれの玄さんは4人の父と4人の母のもとを転々として暮らし常に邪魔者
扱いされて育ったために荒んだ生活を送り補導歴8回、逮捕歴5回という特異な経歴が
その生活ぶりを物語っています。不動産や貸金業を営み金儲けしか考えなかった玄さん
が紹介されて会ったのが大阿闍梨酒井雄哉師の茶室。2年後には得度をして慈覚大師の
足跡を訪ね歩く大阿闍梨の「東北巡行」の先達として青森の恐山まで巡行。その巡行で
交わした師弟問答が『大阿闍梨酒井雄哉の遺言』として佼成出版社から刊行されました
玄さんは問います「阿闍梨サン...お経で人が救えますか?生きる意味って何ですの?」
誰もが一度は疑問に思うことを忌憚なく問答します。座右の銘「一日一生」とは何か?