(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2019年6月10日
6月9日 第362回放送
「慈善を慈善として行うのは真の慈善にあらず。余はこれを楽しみとする」と説いたの
は渋沢栄一で、約500の営利事業と同数の社会事業を興して「日本資本主義の父」と
呼ばれました。5年後に発行される新一万円札の顔に決まり、新五千円札の津田梅子、
新千円札の北里柴三郎と共に、その人物像を「ボクたちの好きな日本人」として紹介。
1840(天保11)年、現在の埼玉県深谷市で生まれた渋沢栄一。生家は藍玉を扱う
地元でも有力な農家でしたが、身分制度に不満を持ち、武士になることを望んで農閑期
には千葉周作道場で剣術稽古の励み、幕末には幕臣となって徳川慶喜に仕えます。弟の
昭武のフランス行きに随行し、この洋行で自身も大きく転換。維新後は大蔵省の官僚に
なるも明治7年には辞職して実業界へ踏み出しました。起業家として多くの会社の設立
に関わり、現在に続くみずほ銀行、東京ガス、東京海上保険、王子製紙、帝国ホテル、
キリンビール等々の礎を築きました。さらに日本赤十字社、らい予防協会、聖路加国際
病院の初代理事長や、教育にも力を注ぎ一橋大学の前身の商法講習所など複数の大学の
設立にも携わっています。渋沢が50代で記した『論語と算盤』は、論語から人格形成
を学び、資本主義の利益主義一辺倒にならず、バランスをとることが大切と説きます。
津田梅子は1864(元治元)年、佐倉藩士の津田仙の二女として東京・新宿で生まれ
8歳で「初の女子留学生」として岩倉具視遣外使節一行に参加。およそ10年間現地で
学校に通い、帰国後は英語教育、女子教育に心血を注ぎ、津田塾大学を創設しました。
北里柴三郎は1852(嘉永5)年、現在の熊本県阿蘇郡で生まれ、ドイツ留学を経て
破傷風血清の発明、香港腺ペストの発見など感染症対策に多大な功績を残しています。