(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2018年10月22日
10月21日 第331回放送
不定期シリーズ「ボクたちの好きな日本人」を放送した週は、いつも聴取者から感想が
寄せられます。前回は薩摩藩主・島津斉彬と久光兄弟のエピソードや、名君の誉れ高い
米沢藩主の上杉鷹山を紹介したところ、薩英戦争と西南戦争に参加した曾祖父の想い出
や国を治めるリーダー論など頂戴しました。今週は「ボクたちの好きな日本人」です。
鎌田さんは先月亡くなった女優・樹木希林さんからいくつもの大切なことを教わった。
まず彼女の「生き方」から学んだことは、2004年に乳がんが判明し、全摘出手術を
受けたが2年後に再発。全身にがんが転移しても、最後まで負けない生き方を貫いたと
親交のあった鎌田さんならではの逸話「私は手術を体験して生きていく意味を考えた。
がんがなかったら、私自身がつまらなく生きて、死んでいったでしょう。そこそこの人
生で終わった。そうならなかったと確信が持てるくらいがんは迫力のある病気でした」
また「がんという死を意識する病気になるということは、心の浄化が起こることだと思
います。地球の浄化のために選ばれた一人なんだなと、そう思っています」さらにまた
「どれだけ自分が無垢になれるのか楽しみにしている状態」と語った樹木流の生き方。
村上さんは、大正から昭和にかけて活躍した陶芸家の河井寛次郎を紹介。特別な美や豪
華さの美ではなく、暮らしにある手仕事の日用品の中に美を見いだした彼の作品と共に
寛次郎の遺した「ことば」に強く惹かれるという。例えば「過去が咲いている今、未来
の蕾で一杯な今」など。河井寛次郎に惹かれたジャーナリストの筑紫哲也は「ありふれ
た日常こそが、かけがえのないもの」という河井の考えに共感し色紙には「手考足思」
と記したという。最後は葛飾北斎が晩年を過ごした信州小布施との関わりを紹介する。