(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2018年1月22日
1月21日 第292回放送
「人の行く裏に道あり花の山」はよく株式投資の格言として使われる句です。皆と一緒
に同じ道を行くとゆっくり花を楽しめない、楽しみたいなら付和雷同せず自分流を貫け
という戒めの言葉ですが、続きがあり「いずれを行くも散らぬ間に行け」時宜を得よ!
物事はすべからくタイミングが大事ですよ!という教えでもあります。そうした先人の
知恵を探る当番組の人気シリーズと勝手に銘打つ『ボクたちの好きな日本人』を紹介。
まずは、江戸時代の儒学者、教育者で健康書の『養生訓』を記した貝原益軒。もともと
体があまり強くなかった益軒は、漢方薬など我が身を使って試し、自らの実体験を基に
長寿を全うするための肉体的、実践的な健康法はもちろん、心の持ちようなど、養生の
重要性を幅広く説いています。例えば、人が本来持っている食欲や睡眠欲に喜怒哀楽も
「ほどほどに抑えた摂生生活」がいいと『養生訓』では説いています。続いては直木賞
を受賞したばかりの門井慶喜著『銀河鉄道の父』を村上さんが紹介。宮沢賢治の父親の
宮澤政次郎は、子煩悩を通り越した父だったらしい。門田さんの表現を借りれば「父で
あり過ぎた父」といいます。裕福な暮らしをしていたが、賢治は家業に懐疑的でした。
また賢治は父の期待を裏切るばかりか、突拍子もないことで振り回す。それでも許して
結局は財政的精神的にも支援。この父がいてこそ宮沢賢治が誕生したと納得の人物伝。
3人目は「世界初のエコロジスト」安藤昌益。江戸時代中期の封建時代ながら身分制度
を否定、富める者も貧しい者もいない平等社会を説き続けた青森・八戸の町医者です。
最後は「気骨に満ちた国際的外交官」牧野伸顕。大久保利通の二男ですが生後間もなく
牧野吉之丞の養子となり、功績は多々。1919年国連に人種的差別撤廃条項を提案。