(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2017年9月25日
9月24日 第277回放送
きょう9月24日から「結核予防週間」ですが「結核は過去の病気」と思っている方も
多いと思います。ところが20年前から結核患者が増え国は『結核緊急事態宣言』を出
し注意を呼びかけました。感染者の7割は高齢者ですが、いまは有効な予防法も治療法
あり大丈夫。ただし過信は禁物です。今回は久々のドクター鎌田の「健康トーク」です
胴囲が伸びて体重も77,7キロの自己最重量を記録して運動不足を認めた村上さんに
ドクター鎌田のおすすめは、ウォーキングとスクワット。直立した状態から屈伸運動の
ように膝関節を屈曲・伸展を繰り返す運動ですが、ポイントはお尻を膝より下げない!
これにより大腿四頭筋・下腿三頭筋・大臀筋・中臀筋などの筋力アップにつながります
単純な動きでありながら、筋力をつけやすく、痩せやすい体づくりに効果があります。
ドクター鎌田は79,5キロまで増えた体重をウォーキングとスクワットで5キロ以上
体重減に成功。筋肉を動かすことで出てくるマイオカインという物質は「夢の万能薬」
ともいわれマイオカインがたくさん出るようになると体重は減り血糖値や血圧が下がる
ので一押しです。運動習慣を調べたヘルシンキ大学の研究でも「歩く」と認知症の発症
リスク軽減という結果があり、その他大腸がん予防、脳卒中、うつ病のリスク軽減も。
鎌田さんの唱えるおまじないに「えんきりさいさいいっぱいたんぱく元気な体」があり
えんきりは「塩切」で塩分を控えることで、胃がんや脳卒中や心筋梗塞が少なくなる。
さいさいは「菜菜」で、野菜をたくさんとること。いっぱいたんぱくは、粗食ではなく
良質なタンパク質をとること。これらに気を付け、元気になろうという語呂合わせです
最後に「ちょきんしろ」を付けますが貯金ではなく「貯筋」でこれが健康の王道です。
2017年9月20日
9月17日 第276回放送
テレビの創成期から活躍し、作詞家として多数のヒット曲を放った昭和の才人・永六輔
さん。去年の7月7日の訃報は、ひとつの時代が終わったことを象徴するものでした。
一周忌を経て『父「永六輔」を看取る』を宝島社から上梓した長女の永千絵さんを迎え
「有名な永六輔ではなく、老父の永孝雄との10年間の自宅介護エピソード」を伺う。
永六輔さんに顔だちがよく似た千絵さんは「自分の父親が有名人であること」にずっと
違和感を持っていたといいます。十代の頃はほとんど父娘の会話もなかったと打ちあけ
唯一の話題が映画だったので作品評をし、父に代わり映画評を書く仕事に就いたとか。
著書のタイトルに永六輔をカギカッコで囲んだのは、千絵さんが語りたいのは有名人の
永六輔の話ではなく、父親の永孝雄について自分が確認するために書きたかったからと
いいます。社会的には尊敬され、素晴らしい仕事をしていると評価されている父親だが
家の中では、超せっかちな性格とか、大の病院嫌いとか、微笑ましい出来事も披露され
ています。『諏訪中央病院』の名誉院長であり、六輔さんの信頼を得た主治医のような
存在の鎌田さんが登場するエピソードもありますが「人間ドッグ事件」は身長と体重と
血圧だけ測って、痛いことは一切しないで帰ったというもの。また、全幅の信頼を得て
いた鎌田さんは千絵さん達から「困ったときの鎌ちゃん頼み」でSOSが発信された。
大腿骨骨折で緊急入院した永さんは「せん妄」の為に自宅と病院の区別がつかずベッド
でしゃべり続け、鎌田さんのアドバイスで一時帰宅された途端に意識を取り戻し、病院
に連れ戻し以後は頭もクリアになったとか。千絵さんが幼い頃ほとんど家にいなかった
父親とじっくり過ごすことが出来た晩年の10年は振り返ると楽しかったといいます。
2017年9月14日
9月10日 第275回放送
沖縄は7月から2か月続く少雨と高温で農作物への影響は深刻です。特にサトウキビは
大きな打撃を受けて「雨水が頼りの島」では関係者が神頼み(雨乞い)をしています。
その沖縄のサトウキビから半世紀以上前に「平和の尊さ」を考える名曲が誕生しました
寺島尚彦さん作『さとうきび畑』を50年歌い続けている森山良子さんとの鼎談です。
1967年『この広い野原いっぱい』でデビューした森山さんは去年から今年にかけて
『50周年の記念コンサート』を全国で開催、その間にヨーロッパツアー等も敢行して
1年で約7万キロを駆けめぐり、104回の公演を実施。そのコンサートツアーの特色
は観客から直接集計したリクエストによって選曲するという構成でした。全ての会場で
リクエスト上位に『さとうきび畑』がランクインしました。この歌との出会いは半世紀
以上前です。たまたま近所に住んでいた寺島尚彦さんに「歌ってみないか」と勧められ
たのが『さとうきび畑』です。1964年寺島さんは「摩文仁の丘」のさとうきび畑で
足元に戦没者の遺骨が埋まったままと聞き衝撃を受けました。その時、一陣の強い風が
吹き、サトウキビの葉々が揺れ、その音がなぜか戦没者の哀しみの声に聞こえたとか。
ザー、サワサワ、ザワザワ・・・1年あまり試行錯誤の末にザワワとして歌詞に込めて
何回も繰り返さないと哀しみは伝わらないので11連からなる詞に66回登場します。
森山さんは最初に譜面を見て狼狽えました。ポップスを好んで歌ってきた自分には重い
テーマで戦争を知らない自分には歌えないし歌ってはいけないと強く感じたそうです。
長い葛藤を経て、歌う覚悟を決めたのは91年の湾岸戦争のころ。恋や愛を歌っている
場合ではないという母からの辛辣な言葉で決心。大切な持ち歌として披露しています。
2017年9月 4日
9月3日 第274回放送
子どもの成長には、家庭で暮らす時間や経験がとても大きな役割を担っています。でも
さまざまな事情で自分の家族と暮らせない子どもたちがいます。都内の児童養護施設で
生活をしている子どもは約3000人。里親のもとで暮している子どもが約300人。
そうした子どもたちの進学をサポートする給付型の奨学金『西脇基金』を紹介します。
『西脇基金』は公認会計士だった西脇和昭さんが"児童養護施設などを出て大学などに
進学する生徒のために使ってほしい"という遺志と遺族からの寄附を受け1987年に
「東京都社会福祉協議会」に進学資金を給付する基金として創設。これまでに同基金で
支えてきた子どもたちは延べ2217人、給付額の累計は7億456万円になります。
『西脇基金を支える会』の発起人で代表の宮内眞木子さんが同基金の現状を語ります。
児童養護施設や里親のもとで暮らしている児童が、高校を卒業して上級校へ進学すると
施設を退所し新たな生活環境で自立した生活を送ることになり環境は大きく変わります
このような状況の中で『西脇基金』による支援は金銭面のみならず、向学心にあふれる
子どもたちの日々の生活と将来を支えています。西脇さんが遺した言葉"子どもたちが
学ぶ気持ちになった時がチャンスだから成績や過去の素行で差別しないで給付"に従い
運営を続けています。同基金の原資は4億5000万円ですが、昨今の利率低下により
その運用益だけでは必要な給付財源を確保できず、常時寄附金の受付を行っています。
◆『西脇基金チャリティーコンサート BIG BAND JAZZ Vol.2』を
開催します。日時:9月26日(火)18時30分開演。会場:杉並公会堂大ホール。
お問い合わせは『西脇基金を支える会』東京03-3256-3674(平日の昼間)