(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2017年8月21日
8月20日 第272回放送
1945年8月15日以降生まれの所謂「戦後生まれ」が人口の8割を超えています。
いまや戦争を知らないのは若者ばかりか、体験していない高齢者も増えており、戦争の
話を聴く機会も減っています。戦後72年が経ち、戦争を知らない世代が戦争について
語り継ぐ手段としての絵本。戦争や平和やいのちの大切さを表現した絵本の紹介です。
まず『ぼくのこえがきこえますか』田島征三・作(童心社)戦争とはなにか?これ以上
の方法はない、というくらい直接的に感覚で訴えかけてくる絵本です。田島征三さんは
「ぼくは50年間、この絵本をつくるためにここまで歩いてきたんだ」という言葉通り
作者渾身の作となった絵本です。更に新潟県十日町市の廃校を利用した『鉢&田島征三
絵本と木の実の美術館』を訪れた鎌田さんが逸話を披露します。続いて紹介する絵本は
『そのこ』谷川俊太郎・詩/塚本やすし・絵(晶文社)児童労働をテーマにした作品で
遠く西アフリカのガーナでカカオを収穫している「そのこ」と日本にいる「ぼく」との
日常を描きながら、世界の子どもの7人に1人が自分の意思に反した労働を強いられる
現実を知らしめる心打つ絵本です。3冊目は『この国が好き』鎌田實・文/木内達朗・
絵(マガジンハウス)。鎌田さんが初孫のBAKU君を抱き、切々と語り続ける戦争を
しない日本国の賛歌で、日本国憲法についても言及しています。4冊目は広島の原爆が
テーマの『8月6日のこと』中川ひろたか・作/長谷川義史・絵(河出書房新社)です
作者の中川さんの伯父の死と被爆者となった母親の体験を伝えて、問いかけています。
戦争は歴史が続く限り繰り返されるおそれがあります。ただし、戦争で起こりうる悲劇
を傷つける者が傷つけられる者の辛苦まで想像できれば、悲劇は減るかもしれません。