(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2016年6月 6日
6月5日 第211回放送
「弱肉強食」は弱者の犠牲の上に強者が栄えるという唐の時代の韓愈の教えです。でも
実際の自然界では肉食獣の捕食は簡単ではなく、草食獣の増減によって肉食獣の生存も
大きな影響を受けるので、一概に肉食獣が強者と言えないことも明らかになりました。
今回は、本を通して「弱さ/弱者」を考え、弱さの周りにあるものを見つめてみます。
まずは、スローライフを提唱している明治学院大学教授で文化人類学者の辻信一さんの
『弱虫でいいんだよ』(ちくまプリマー新書)。人間は地球の中で君臨しているような
気になっているが錯覚である。地球上の生物は「他の生物と少しずつ生活環境をずらし
ながら自分の居場所を作っている」といい、人間以外は程を知って生きていると指摘。
人間は未発達のまま生まれてくる。母親や周囲の愛情がないと人間は育たないのだから
実は弱い存在。それゆえに強弱も勝敗も優劣も関係なく、謙虚さがあればいいという。
続いて、哲学者の鷲田清一さんの『〈弱さ〉のちからホスピタブルな光景』(講談社)
ケアにあたる人がケアを必要としている人に、時として逆により深くケアされる反転が
起きているといい、ケアの現場への取材を通してケア関係の本質に迫った臨床哲学本。
「諏訪中央病院」で緩和ケアの看護師として勤務し、尼僧になった飯島惠道さんほか。
3冊目は、村上さん推薦の時代小説高田郁さん『あきない世傳金と銀』(ハルキ文庫)
物がさっぱり売れない享保期に、摂津の津門村に学者の子として生を受けたヒロインは
父から「商は詐なり」と教えられて育ったはずが、享保の大飢饉や家族との別離を経て
齢九つで大坂天満にある呉服商「五鈴屋」に奉公へ出されることになる。そこで番頭の
治兵衛に才を認められ、徐々に商いに心を惹かれていく物語。か弱い少女が歩む先は?