文化放送

鎌田實×村上信夫 日曜は頑張らない

鎌田 實
鎌田 實
(かまた みのる)

医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、 東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会 放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」 「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。

村上 信夫
村上 信夫
(むらかみ のぶお)

1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com

過去の記事

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2016年5月16日

5月15日 第208回放送

「熊本地震」の発生から1か月。一日も早い復旧、復興を心よりお祈り申し上げます。
大規模災害など未曾有の危機に直面した時、状況に対応してリーダーシップを発揮して
活動の中核となることが期待される指導的立場の人。テーマは「無私の日本人」です。

まずは「米百俵」の小林虎三郎。「北越戊辰戦争」で焦土と化した長岡藩に、三根山藩
から見舞いの米が百俵送られてきた。長岡の人々には喉から手がでるほど欲しい米だが
小林虎三郎はその米を売り払い、その代金を「学校」に注ぎ込み「目先の事に囚われず
明日のために行動する」という精神風土を長岡に根づかせた。子孫を育む思想の源泉。
日本史家の磯田道史さん作の『無私の日本人』から話題の映画『殿、利息でござる!』
江戸中期、財政逼迫した仙台藩が、領民へ重税を課したことで破産や夜逃げが続出して
小さな宿場町の吉岡宿は困窮し切っていた。そこで穀田屋十三郎と同志たちは、私財を
投げ打ち千両を集め、その千両を仙台藩に貸し付けて利子を取り、その運用で吉岡宿は
窮地から救われた。そして、自慢話にしない戒めとして「つつしみの掟」を厳守した。
3人目は現代人。日雇い労働者の街として知られる大阪の西成区釜ヶ崎。街の真ん中に
ある児童館『こどもの里』館長の荘保共子さんは、大学卒業後に教会の活動を通じ西成
の子供と出会ったのが縁で、ボランティアスタッフと子供のケアに取り組んで38年。
江戸時代の秋田藩の下級武士・栗田定之丞。公意識の見本のような実直な侍で、植林で
砂防することを思いつき砂留役という職につけて貰い、その半生を砂防植林に注いだ。
栗田の純粋な一念に村人たちも心打たれ、延べ7万人が協力して植栽された黒松は三百
万株に及んだ。日本海に沿って14キロメートルも続く『風の松原』のもとを築いた。

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放送日:2016年5月15日

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