(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2016年3月28日
3月27日 第201回放送
"酒なくて何で己が桜かな"は落語『長屋の花見』など酒の席で酔人が言う川柳です。
待ち望んだ桜の開花が各地で聞かれる日曜日ですが、「酒は百薬の長なり。されど万病
の元なり」浮かれて飲み過ぎると健康を害すると忠告したのは吉田兼好です。医師から
の禁酒勧告や大病等、顛末を自伝的小説にした芥川賞作家の高橋三千綱さんがゲスト。
『ありがとう肝硬変、よろしく糖尿病』(幻冬舎)は、作家生活40年にして初の書き
下ろし自伝的小説。糖尿病からアルコール性肝炎。医師の禁酒勧告も"知らぬ存ぜぬ"
の作家は、80以下が正常値のγ-GTP検査の数値で4026と驚きの異常値を記録
それでも毎日4合5合と飲み続けた1年後、61歳にして「肝硬変」を宣告されます。
更に「食道がん」と「胃がん」になりますが、血糖値が高すぎて手術が出来ないという
問題も発生し次々に身体に襲いかかる難問。そんな闘病中、我が身に起きた奇跡も知り
重病を宣告され狼狽しながらも、「病気」をエネルギーに変えていく自伝的小説です。
飄々?泰然自若?大病と折り合いを付けながら生きる高橋さん。探ってみるとどうやら
小学生時代からその一風変わった片鱗は覗けます。子役として生活費を稼いだり伊豆の
大島に一人旅したり。中学、高校でも野宿しながら全国各地を旅する快男児(?)ぶり
根っからの自由人か思いきや「鎖が長くなっただけの飼い犬」といい「旅は孤独」と。
鎌田さんは、高橋さんの本を糖尿病、肝硬変、食道がん、胃がんの患者さんにこそ読ん
で貰いたいとして「生と死に頓着しないように思える生き方」がここにあるといいます
高橋さんは実生活でも遺言書と自作戒名を既に用意。スタジオに持参した「ぐい呑み」
は倉敷の古物店で買い求めた酒器で、最期に意識があれば「ぬる燗」を所望するとか。