(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2015年9月29日
9月27日 第178回放送
鎌田さんは「怖いもの知らず」で「甘え上手」。スキーで骨折し左手が使えないときに
対談した世界的ピアニストの舘野泉さんに左手のパートをお願いしてジョン・レノンの
『イマジン』を連弾。"お互い楽しかった!"という舘野泉さんを迎えての鼎談です。
チェリストの父とピアニスト母の間に生まれた舘野泉さんは、1964年以来フィンラ
ンドに在住し世界を舞台に活躍するピアニストです。2002年の40周年記念ツアー
のステージ上で脳出血のため倒れますが、2年間のリハビリを経て奇跡のカムバック。
右半身にマヒは残りますが「左手のピアニスト」として新たな世界を切り拓いています
「左手は両手の半分ではない」という言葉に象徴されるように、左手でどんどん新しい
世界を切り拓き、両手で弾いていた時には気づかなかった音楽の本質が見えてきたとし
左手の世界は自由で広く深い音楽表現が出来る独立分野。親指・人差し指でメロディを
中指・薬指・小指でハーモニー。和音と旋律も1つの手にまとまっている為、かえって
音楽がよく見えるようになったといいます。また、リハビリ中のピアノが弾けなかった
2年間も、マリア夫人の「自宅で二人笑ってゆっくり過ごせたのが嬉しかった」という
言葉が表すように演奏家としての空白の期間にも感謝。マイナスをプラスに変える時間
になりました。舘野さんが「左手のピアニスト」になるまでの経緯や音楽への喜びなど
23の言葉とエピソードを1冊にまとめたエッセイ集『命の響』(集英社)が出ました
そして、79歳の誕生日11月10日は「銀座ヤマハホール」で草笛光子さんと共演。
『KENJI~宮澤賢治に寄せる』は演奏しながら不覚にも落涙するという裏話もあり
来年の誕生日には「東京オペラシティホール」にて、ピアノ協奏曲4曲を上演予定です
2015年9月23日
9月20日 第177回放送
「振り返ってみると、刺激的な人生を送っているようで、そうでもないかなぁと思う」
と鎌田さん。医師で作家でマスメディアの露出もあり、傍からは刺激的な日々を過ごし
ているように見えますが「人生の岐路に立って、もっと過激に生きようかとも思う」。
村上さんも「刺激を与えてくれる人は周囲にたくさんいる」といいテーマは「刺激」。
まず村上さんが刺激を受けたのはコメディアンの萩本欽一さん。駒澤大学の仏教学部に
入学を果たした74歳の大学1年生。次から次に新たなことに挑む萩本さんは、ことも
なげに「だってサ、山に登ったら、その山にいつまでもいないでしょ。一つの山に登り
終えたら、次の山に登りたくなるのよ」というチャレンジ精神に充実の人生が重なる。
鎌田さんが刺激を受けたのは、いまや世界の歌姫へと上り詰めた「レディー・ガガ」。
ニューヨークの裕福な家庭に育ち、お嬢様のカソリックの学校に通いながらも級友には
違和感を覚えて、それをバネに音楽の才能に一層の磨きをかけ、19歳で自立します。
事業家の父の援助を断り、ストリップクラブで働きます。ストリッパーの過去を隠さず
公言している彼女に刺激を受けたといいます。また、ガガの先輩格「マドンナ」の人生
にも刺激を受けたという。もう一人鎌田さんが「彼女の絵本を作りたい!」という意中
の人「シンディー・ローパー」。「東日本大震災」が発生した日に来日した彼女は周囲
の忠告を聞き入れず日本に留まり、これを機に被災地の支援に尽力しています。津波で
泥に沈んだグランドピアノを再生する石巻市のサルコヤ楽器店のプロジェクトに協力。
村上さんは映画を観て刺激を受けたと『NORINTEN~稲塚権次郎物語』を紹介。
世界の食糧危機を救う奇跡の小麦の基になった「小麦農林10号」開発者の物語です。
2015年9月14日
9月13日 第176回放送
子守唄は、生まれてはじめて聴く唄であり、抱擁の唄、親と子が絆を確かめる唄です。
心の中に残る大切な情操教育のあるべき形として子守唄の大切さを伝えて、広めたいと
活動を続ける「NPO法人日本子守唄協会」会長の湯川れい子さんを迎えて鼎談です。
湯川れい子さんは音楽評論家、作詞家のほかに平和・環境・動物愛護の運動でも活躍さ
れています。エルビス・プレスリーのファンであることは有名ですが、没後38年経ち
ながら根強い人気で未だ衰えない「キング」のニックネームもある彼からは多大な影響
を受けて、今もエネルギーを貰い続けているといいます。今回の本題「子守唄」ですが
協会創立15周年の記念プロジェクトとして新作の子守唄を作りました。湯川さん作詞
つんく♂さんが作曲とプロデュース、歌はクミコさんです。つんく♂さんといえば喉頭
がんで声帯摘出し、今春の母校の式典で"私も新人、一回生のつもりで出直します"の
発言がマスコミに大きく紹介されました。つんく♂さんの懸命に生きる姿に感動した湯
川さんとクミコさんからの依頼を快諾し、子守唄『うまれてきてくれて ありがとう』
が完成しました。作詞家として新しい子守唄には「新鮮な言葉を散りばめたい」という
湯川さんの想いに対して、つんく♂さんは「母親だけでなく父親も祖父母も保育士さん
も唄える歌にしたい」という希望を出し湯川さんは繰り返し歌詞を推敲したそうです。
湯川さんは言います。「子守唄を耳にすることが少なくなって久しいですが、子守唄で
なくても、生まれてすぐの言葉もわからない赤ちゃんに優しい声で歌いかけて欲しい。
抱っこして、心臓の鼓動聞かせながら、胎内で聞いていた声に限りなく近い周波数の歌
で歌いかけてくれることで、生きていく命が輝く、信頼が育つ」子守唄の再興を願う。
2015年9月 7日
9月6日 第175回放送
1987年に日本で公開された映画『スタンド・バイ・ミー』はスティーブン・キング
の短編作『死体』をロブ・ライナー監督が映画化した郷愁を誘う感動の青春映画です。
長じて作家となったゴードンはある日の新聞で旧友の訃報を知り、その旧友と忘れえぬ
体験をした12歳の夏、1959年の田舎町を舞台にした少年達の物語は展開します。
今回は映画に倣って、鎌田さんと村上さんの今夏と12歳の夏の体験を語り合います。
鎌田さんは、医学生の頃から休日返上で走り続けてきましたが、気が付けば早67歳。
今夏予定していた「チェノブイリ訪問」が延び、思いがけず自由に出来る時間ができた
での、映画館に足を運んだり、芝居を観たり、ジャズライブを楽しみ、40年以上忘れ
ていた「充実の夏休み」を過ごしました。映画は話題作やヒット作を中心に観たなかで
『進撃の巨人』を挙げました。社会現象を起こした諌山創さん原作の大人気コミックを
実写で映像化したスペクタクル作品。旗揚げから35年の人気を誇る『劇団☆新感線』
劇団の看板役者である古田新太と橋本じゅんのご両人がはまり役の『五右衛門vs轟天』
を観賞。時空を越え、世界観を越え、限界をも乗り越えて激突するアクション爆笑活劇
村上さんが挙げた映画はディズニー・アニメの『インサイド・ヘッド』。「ヨロコビ」
「カナシミ」「イカリ」「ムカムカ」「ビビリ」という5つの「感情」を主人公にした
アニメーション映画で、中でも大竹しのぶさんの声の「カナシミ」が印象的だったとか
また、戦後70年の今年は「いのちの絵本」など、平和をテーマにした朗読会や演奏会
に3つ関わり、語り部の方々の渾身の話は迫力があったことと、伝えねばという切実さ
が伝わってきたそうです。2人が少年期を回想した話も時代背景を想起させるいい話。
2015年9月 1日
8月30日 第174回放送
『人は、ことばで磨かれる』(清流出版)村上信夫さんが久しぶりに本を出しました。
「ことばは人なり」。その人が使うことばでその人がわかり、人はことばで磨かれてい
きます。更に、ことばは人を磨く手段でもあります。2000人以上インタビューした
経験から「ことばの力」を信じ全国各地で「嬉しいことばの種まき」を続けています。
今回は『人を磨くことば』と題して、著名人の転機となった言葉を2人で紹介します。
『人は、ことばで磨かれる』は、登場順に阿川佐和子さんから武田双雲さんまで18人
の「人生は捨てたもんじゃない!という自己肯定ことば」を紹介しています。10代で
一家の大黒柱になった歌手の小林幸子さんは「自分の背中を、自分で押してきた」とか
「思い込みは捨て、思いつきを拾う」。摂食障害を克服して五輪選手となったフィギュ
アスケートの鈴木明子さんのことば「ひとつひとつ。少しずつ」。何でも前向きに解決
するポジティブ人間の武田双雲さんは「行きあたりバッチリ」。4年前に肝炎を患った
ときにはネガティブになったが「健康と何回も書いた」ので思考の整理ができたとか。
一方、18歳から毎朝4時起床の生活を続ける鎌田さんの口癖は「がんばりましょう」
だったが、末期がんの患者さんから「もうこれ以上がんばれません!」と言われことを
機に状況次第で人を傷つけていたことを知り「がんばらないの鎌田になった」という。
67歳の今、改めて自分を見つめ直して「自分は本当に自由に生きて来ただろうか?」
と問いかけています。周囲に「自由人の鎌田」と映るがまだまだ遣り切れていないと。
■プレゼント■『人は、ことばで磨かれる』(清流出版)に村上さんのサインを入れて
5名様に進呈。住所、氏名、電話番号を明記の上、9月4日必着でご応募ください。