(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2015年8月24日
8月23日 第173回放送
いまから47年前、京都に住むアマチュア学生バンドが空前のヒット曲を放ちました。
ザ・フォーク・クルセダーズの『帰って来たヨッパライ』です。バンド解散記念に制作
した自費製作曲が皮肉にも累計300万枚を売り上げるヒットにつながり、プロになる
気のなかった3人は「1年だけ」と期限を決めて音楽活動を続け68年解散しました。
その後、加藤和彦さんとはしだのりひこさんは其々の音楽シーンで活躍したのに対して
きたやまおさむさんだけは芸能界を去り、精神科医としての道を歩み続けて40有余年
今回のゲストは、精神科医の北山修さん/作詞家・音楽家のきたやまおさむさんです。
優れた精神科医であり、多数の名曲を綴る作詞家でもある「きたやまおさむ/北山修」
その絶妙のバランスに興味がわきますが、本人曰く「どっちでもない時に素顔が出て、
例えばこの番組出演を終えて、地下鉄に乗って帰宅するその途中が気持ちいい!」と。
音楽で世に出た自分と、医者を目指している自分は矛盾していると、心の底で葛藤して
いた時期もあり、芸術と科学は相いれないという考えに捕らわれていました。ところが
イギリスで精神分析を学ぶ中で、人というのは「どっちつかず」。人間でありながら動
物でもある、理性と本能がともに備わった矛盾した存在だが、それを遊びや文化を使い
生きなくてはという理論に出会い、今の自分があるといいます。更に、九州大学で精神
分析の臨床の傍ら、浮世絵に関心を持ち描かれた母と子の関係のあり方を研究。西洋の
影響を受ける明治時代以前の日本人の子育ての一端に触れることができたそうです。母
と子が同じものを一緒に見る姿を様式化したこの構図を「共視」と名付けましたが欧米
にはなく「和」を貴ぶ日本独特のものであり「川の字に寝る」独特の親子関係も必聴。
2015年8月17日
8月16日 第172回放送
開放的な夏休みは、誘惑や危険が子ども達に忍び寄ってくる時季です。少年少女の非行
や薬物依存症問題を抱える子ども達と向き合い、夜に繁華街をパトロールすることから
「夜回り先生」の異名を持つ青少年問題研究家の水谷修さんをゲストに迎えての鼎談。
医療の鎌田さんと教育の水谷さんは、フィールドこそ違うが共通点も多く風貌は髭面で
ハートは正義感いっぱい。そして共通キーワードの「だいじょうぶ」で往復書簡を交わ
して同名の本(日本評論社)を2009年に出版している仲です。猛暑日でもスーツに
ネクタイと正装する水谷さんは、「夜の世界に生きる人間は外観で判断するから風貌が
大事」といいます。そしてもう一つ大切なのは「眼」。柳生新陰流の奥伝に「一眼二足
三胆四力」という言葉がありますが、剣士の水谷さんはまさに「一眼」相手の目を見据
えて勝負に挑みます。相手が何を考え、何をしようとしているのか心を読むのが大事。
水谷さんの新刊『約束』(日本評論社)は13年前にエイズで逝った少女との約束の書
援助交際、不純異性交遊を繰り返す少女を保護した出会いから、死別に至るまでの話で
「私のような過ちを繰り返さないように講演で話して、書き遺して」と約束をしがらも
遺族のことを考えて逡巡。少女の父親が末期がん患者となり新たに約束を交わして少女
の生きた証を遺す本です。また「どんなことでも、どんな人でも、やり直せるんだよ」
というメッセージを込めた『明日は、もうそこに』(海竜社)からは大量服薬やリスト
カットを繰り返していた気仙沼の女子高生が震災後に避難所で生き甲斐を見つけた話。
彷徨える少年少女から「何のために生きるの?」と問われた時に、沖縄戦のガマ(防空
壕)では自ら犠牲になって乳幼児を守った話をし「人の為に生きろ」と諭しています。
2015年8月10日
8月9日 第171回放送
きょう8月9日は「長崎原爆の日」。原爆投下によって7万人の命が奪われた日ですが
長崎に住む若い世代の半数は、原爆投下を正しく認識していないという調査結果です。
原爆で被爆しながら救護活動にあたり『長崎の鐘』等を記した医師の故・永井隆博士の
精神を実践する個人や団体に贈られる『永井隆平和記念・長崎賞』を鎌田さんは「日本
チェルノブイリ連帯基金」の理事長として2004年に受賞しています。戦後70年を
経て戦争を風化させないで欲しいという思いから戦争と平和に関する映画の特集です。
戦後70年を迎えたこの夏は先の大戦をテーマにした映画が続々と公開されています。
『日本のいちばん長い日』(松竹)は、1945年8月15日の終戦を伝える玉音放送
が流れるまでの内閣と陸軍海軍、昭和天皇が繰り広げる緊迫の一日を描いた作品。村上
さんは67年に東宝で映画化された作品と比較して、昭和天皇を正面から描いている点
に大きな違いがあると指摘しています。『2つの名前を持つ少年』(独仏)はユダヤ人
強制居住区から逃げ出した少年が、ポーランド人を装い、名前を変えナチスの迫害から
逃れる。やがて心優しい一家と出会って安息を得るが、ユダヤ人であることが発覚...。
『あの日のように抱きしめて』(独)のヒロインは顔に傷を負いながらもアウシュヴィ
ッツ強制収容所から生還した妻と、変貌した妻に気付かないドイツ人夫の愛の行方は?
9年前に亡くなった黒木和雄監督は"ちゃぶ台から見た戦争"として日常から見た戦争
をテーマに作品を作り続けてきましたが、8月21日まで「岩波ホール」で特集上映。
『紙屋悦子の青春』『父と暮せば』『美しい夏キリシマ』『TOMORROW 明日』
の長編4本と短編『ぼくのいる街』を上映中。映画を観てから親子で話をしましょう!
2015年8月 3日
8月2日 第170回放送
1945年8月15日の戦争終結から70年の節目で、今年も暑い8月を迎えました。
6日(広島)9日(長崎)15日(終戦)と戦争や平和について考える日が続きますが
今週は「戦争や平和をテーマにした絵本」を鎌田さん村上さんが一部朗読も交え紹介。
まずは『かわいそうなぞう』(金の星社)土家由岐雄(著)武部本一郎 (イラスト) 。
第二次世界大戦中、上野動物園では空襲で檻が破壊された際の猛獣逃亡を視野に入れて
殺処分が決定します。猛獣達が処分される中で毒殺を逃れた3頭の象は餓死させられる
ことになります。象たちは餌をもらうために必死に芸をしながらも餓死していきます。
続いては『くつがいく』(童心社)和歌山静子(作)。作者の和歌山静子さんは幼い頃
何もわからず戦争を体験。戦争中に日本の兵隊達は、アジアの国ぐにで何をしたのか?
本当の戦争の姿とはどんなだったのか?兵隊に履かれて海を渡った「靴」が語ります。
鎌田さんが理事長を務めるJIM-NET(日本イラク医療ネットワーク)の佐藤真紀
事務局長も絵本を出しています。イラクへの空爆で多くの子どもが犠牲になって十余年
忘れることの出来ない記憶を子どもらが絵本で語りかける『イラクから日本のおともだ
ちへ―小さな画家たちが描いた戦争の10年』(子どもの未来社)。イラクの白血病の
少女ハウラ・ジャマルちゃんと共著『ハウラの赤い花―イラクの少女がねがったこと』
(新日本出版)。後半は、今年2月亡くなった児童文学作家・松谷みよ子さんの作品で
原発が投下された後の広島を舞台にした『まちんと』(偕成社)松谷(作)司修(絵)
まちんととは広島の方言で「もうちょっと」。幼女がもうちょっと欲したのはトマト。
最後は田島征三さん渾身の作『ぼくのこえがきこえますか』(童心社)を紹介します。