(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2015年6月 1日
5月31日 第161回放送
「緩和ケア」というと、がん末期のいわゆるターミナルケアを思いがちです。でも医療
の本来の姿は患者さんの痛みや辛さを緩和するのが目的で、医療の原点とも言えます。
今回は緩和医療一筋、多くの患者さんの死に寄り添ってきた医師の大津秀一さんです。
大津さんは、1976年に茨城県で生まれた若い緩和医療の専門医です。内科専門研修
終了後、日本最年少のホスピス医(当時)としてスタート。京都の専門病院にて研鑽を
積み、現在は東邦大学医療センター大森病院緩和ケアセンターにお勤めです。大津さん
はこれまでたくさんの死を見届けてきました。死期が迫ると、多くの患者さんが様々な
辛さを自覚することになりますが、医師としては患者さんのあらゆる苦痛を取り除く事
ですが、体の苦痛を和らげるのは何とかできても心の苦痛を取り除くのは難儀だといい
どうしたら死を前にした患者さんの苦しみや辛さや後悔が減るのか常に考えています。
大津さんは「桜は後悔していない」といいます。精一杯咲いて見事な満開の姿を見せて
散っていくからです。これまで多くの死と立ち会い、生物学的な生命の長さは死ぬとき
の満足度には関係ないといい、その意味で精一杯生きる時間の密度が大事と説きます。
「死=不幸」ではないと大津さんはいいます。もしそうなら世界中が不幸になっている
からです。必ず死ぬことがわかっている以上このことを不幸なことにしてはいけない。
寿命で亡くなるのを不幸とは思わないこと。だれでも必ずハッピーエンドを迎えられる
その為に大切なことは、死ぬ時に後悔しないよういま何をなすべきか考えることです。
多数著書の大津さんの中から『死ぬときに後悔すること25』(致知出版社)『死ぬま
でに決断しておきたいこと20』(KADOKAWA)『傾聴力』(大和書房)など。