(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2015年4月13日
4月12日 第154回放送
長野県の「諏訪中央病院」で地域医療に携わって30有余年になる鎌田實さんが掲げる
「いい医者の十か条」には、①患者の話をよく聞いてくれる。②話がわかりやすい等々
十うち六つが「コミュニケーション」に関わる項目です。医師と患者の関係はコミュニ
ケーションがうまく取れるか否かといい、ここに「医療の原点」があるという話です。
福島県南相馬市の『絆診療所』では、患者の立場に寄り添う診察の様子が見られます。
院長は遠藤清次さん。震災前は『小高病院』の院長を務めていましたが、震災後小高区
は警戒区域となり閉院。猪苗代町立病院に移り、多数の避難者の診察に当たりました。
その遠藤さんのもとに「小高病院を守る会」の会員が出向き、戻ってほしい!と要請。
遠藤さんは「仮設住宅の孤立死を防ぎ、健康を守るきっかけになれば」と南相馬市への
帰還を決断し、鹿島商工会の斡旋もあり仮設店舗内に念願の絆診療所を開設しました。
外科医の遠藤さんは、患者さんのケガを治し、病巣を切除という「体」を治療するのが
仕事でしたが、震災後にお年寄りの患者さんを多く診るようになり「人間」を診る様に
なったといいます。遠藤さんは「治す医療」と「支える医療」を分けて患者さんに貢献
することを実践しています。「医師の言う事に従ってください!」的な発言は一切なく
「そうだね」「大丈夫だよ」と優しい口調で相槌を打ち、患者さんの傍らにいて見守り
患者さんの斜め後ろからついて行く感じの微妙な距離感に優しさが見受けられます。
獅子奮迅の日々にさぞやストレスフルで疲れていると思いきや「人のために役立つと思
うとオキシトシンが出ているのか疲れる事はありません!」と笑って答える遠藤さん。
患部を治療するだけではなく、患者さんの心と体全体を診守ってくれる良医がいます。