(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2014年6月30日
6月29日 第114回放送
きのう66歳になった鎌田さんと明日61歳になる村上さん。「御髪に若返りの兆候が
見えるのでは?」にほくそ笑む二人。『おしん』女優の小林綾子さんをゲストに迎えて
大正時代の童謡詩人「金子みすゞ」をテーマに3人それぞれお気に入りを朗読します。
小林綾子さんは、1983年にNHK連続テレビ小説『おしん』の少女時代を熱演して
一躍有名になりましたが、デビュー作はTBSの『仮面ライダー』の悪役ショッカーに
さらわれて「助けてー!」と叫ぶ少女の役だったとか。『おしん』は約80の国と地域
で放映され、苦難に遭いつつも諦めずに生きた主人公の姿が今も共感を呼んでいます。
小林さんは95年にドラマで金子みすゞ役を演じ、「ここまで優しい考え方をする人が
いることに驚いた」とその衝撃的出会いから、折に触れて朗読会などを続けています。
金子みすゞは、1903年に山口県の仙崎村に生まれ、物静かだけれども好奇心旺盛で
読書好きな少女でした。二十歳の時に下関随一の書店「上山文英堂」の支店で働き始め
仕事のかたわら童謡を書いて投稿したのが縁で、西條八十に認められ、若き童謡詩人と
なりますが、結婚した夫に詩作を禁じられ、一女をもうけながらも理解のない夫と離婚
26歳の短い生涯を自ら閉じました。没後、みすゞの作品は埋もれ、生い立ちも知られ
ぬまま半世紀が過ぎた頃、熱心な研究者が遺族の協力を得て84年『金子みすゞ全集』
を発刊。今年は発刊から30年の節目に当たります。512編あるみすゞ作品の中から
小林さんは『露』『蜂と神様』『草原の夜』『私と小鳥と鈴と』、鎌田さんは『すずめ
のかあさん』『木』、そして村上さんは『積もった雪』『なまけ時計』を披露します。
みすゞの言う「みんなちがって、みんないい」の意味を、今こそ考えるべき好機です。
2014年6月23日
6月22日 第113回放送
「青い空と海、温もりのある言葉、さりげないもてなし」沖縄の魅力を挙げる村上さん
に鎌田さんは「島らっきょう、ソーキそば、ジーマミ豆腐」と食べ物を挙げ、更に平和
を意識する「読谷村のガマ」や「本部町備瀬のフク木並木」がお勧め風景といいます。
今回のテーマは「沖縄」。明日6月23日は太平洋戦争における沖縄戦の終結した日と
して沖縄県は「慰霊の日」と定めて、毎年「沖縄全戦没者追悼式」を行っています。
去年の追悼式では、与那国町立久部良小学校1年生(当時)の安里有生君が平和の詩を
朗読しましたが、その『へいわってすてきだね』が今年の「慰霊の日」に合わせ東京の
出版社「ブロンズ新社」から絵本として出版されることになりました。独特のタッチと
ユーモアあふれる作品で人気の高い絵本作家の長谷川義史さんが絵を担当しています。
「ずっとへいわがつづくように ぼくも、ぼくのできることからがんばるよ」と素朴な
言葉で紡いだ有生君の平和への思いを読んだ長谷川さんは「今描かなきゃと思った」。
鎌田さん作、長谷川さん絵の『ほうれんそうは ないています』(ポプラ社)に続く絵本
となりますが、今回も村上さんが朗読する『へいわってすてきだね』が聴きものです。
後半は、かつては長寿県だった沖縄が長野県に抜かれた「二六ショック」に触れます。
男性の平均寿命が4位から26位に急落。魚と果実を食べない(最下位)、緑黄色野菜
を食べない(36位)、肉類(1位)、肥満度(1位)。データは悪化の一途をたどり
食の欧米化が問題とされています。魚や野菜をもっと食べ、ステーキや焼き肉は控えて
沖縄伝統の「らふてぃ」のような脂を抜いた肉を食べて欲しいと鎌田さんの指摘です。
その他、竹富島、久米島、『ちゅら海水族館』や『佐喜間美術館』等々も紹介します。
2014年6月 9日
6月8日 第112回放送
鎌田さんが"お姉さん"と話し掛けると"ねェお願いだから、人前でお姉さんはやめて
年上なのは認めるから..."と古希の加藤登紀子さん。年齢(65歳)より老けて見える
鎌田さんに言われると抵抗があるようです。仲良し二人に村上さんを交えた鼎談です。
旧満州(中国東北部)で生まれ2歳8か月で日本へ引き揚げてきた戦中派の加藤さんは
戦争の歴史を正確に受け止める強さを若い人に持って欲しい!という願いを込め広島の
原爆を描いた漫画『はだしのゲン』で知られる中沢啓治さん唯一の詩『広島 愛の川』
を歌ったCDを近々発売します。生前の中沢さんが加藤ファンで、ミサヨ夫人も快諾。
次は、2つの戦争を生き抜き「シャンソンの神」と讃えられ歌姫エディット・ピアフと
彼女を精神的に支え続けた大女優マレーネ・デートリヒ。加藤さんは二人の関係を語り
歌い綴るモノオペラを先月好演しましたが、二人との運命的な繋がりを感じたそうです
デートリヒは1901年、加藤さんは1943年の12月27日と誕生日が偶然一致。
ピアフと加藤さんのお母さんは、1915年生まれで来年が生誕100年の節目の年。
さらに、ピアフが他界した1963年の翌年に加藤さんはシャンソンを歌い始め65年
に歌手デビュー。来年ピアフ生誕100年の年に歌手生活50周年を迎える加藤さん。
最晩年のピアフにジャック・ブレルが詞を捧げた『あなた次第』を加藤さんが甦らせて
ステージで披露している貴重な作品を紹介した後、最後に取り上げたのは加藤さんオリ
ジナル『愛を耕すものたちよ』。加藤さん曰く"生きることは、愛すること、耕すこと
育てること、明日を拓くこと"と自身の49年分の足跡が凝縮した作品に聞こえます。
■お知らせ■来週15日は『2014FIFAワールドカップ』中継で番組休止です。
2014年6月 2日
6月1日 第111回放送
「医者の不養生」という諺があります。鎌田さんは?「養生ばかりを考えていると堅苦
しくなり不養生になるので、たまには養生を忘れて息抜きするのが鎌田流養生」とか。
医療ジャーナリストの宇山恵子さんを迎えて、今回のテーマは「医者の健康法」です。
宇山恵子さんの仕事は、医学用語を使わずにわかり易い病気の解説書を書いたり、患者
にわかり易く説明するノウハウを医師に教えたりと「医者と社会をつなぐ役目」です。
大学を卒業後、「産経新聞社」の記者、大手広告代理店勤務を経て、結婚を機に退職。
OL時代に時給換算で8000円の仕事をしていたので、出産後は「時給8000円の
育児」に専念(それだけ育児を大切に考え取組んだとか)。出産を機して自己顕示欲の
強い性格はなりをひそめ、誰かの為に夢中になり充実感がわく様になったといいます。
アメリカへの子連れ留学も経験し、美容と健康情報発信の「ウーマンヘルス研究所」を
立ち上げ、現在は「東京医科歯科大学」「京都府立医科大学」の教壇に立っています。
宇山さんの近著『激務に負けない名医の養生術』(KADOKAWA)は各専門分野で
活躍する35人の名医が、自ら身体に良いと考え実践する健康法を公開。特別な用具を
使わず、お金もかけずに長寿を保つ秘訣を明かした直ぐに役立つ現代版の養生訓です。
大腸がん研究のパイオニア・武藤徹一郎先生、心臓外科医で宇宙飛行士の向井千明先生
小児白血病のパイオニア水谷修紀先生、すい臓手術の名医・宮崎勝先生のほか31人。
35人に共通するのは、患者のため一生懸命生きていること。ドクターが健康でないと
患者を元気には出来ません。特別な事をしている訳ではないので簡単に実践できます。
明るい性格で活動的な生活を送るのが「長寿の秘訣」。悲観的な思考は避けましょう!