(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2013年10月30日
10月27日 第81回放送
鎌田さんは18歳の時から毎朝4時半に起きて、頭がクリアな時に思索にふける習慣を
続けていますが、今週のゲストは更に早く毎朝4時に起きて思索にもふけるが、走って
体も鍛えている「日本マクドナルドホールディングス株式会社」CEO原田泳幸さん。
原田さんは59歳の時に体重80キロで脂肪肝を指摘され、「メタボはイカン」と一念
発起してランニングをはじめ、更に自転車に乗っている人を見てはカッコイイから自分
も乗るようになり、1年後の還暦を迎えた時にはトライアスロン選手になったという。
「東京マラソン」も3回出場し、今年は35キロ地点で脚がつるアクシデントに見舞わ
れますが、「絶対にリタイアはしない!」という信条のもと、前傾姿勢をとり続けて完
走したというまさにストイックな人。幼い頃は病弱で、小児まひ、ジフテリア、百日咳
伝染病などで隔離病棟に長期入院し、運動とは無縁な少年だったというから意外です。
ビジネスに関する精神論や経営論を多く記している同氏ですので、ここはそれ以外を!
原田さんに多大な影響を与えたのはご両親。厳格な父親は原田さんが勉強せずにいると
「勉強しないなら学校に行く必要はない!」と原田さんを砕石所に連れて行きトラック
一台分の小石を積むように厳命されて学校に行けなかった強烈な想い出があるそうです
一方、母親の優しい教え。高校生になり買ってもらったばかりのお気に入りの自転車が
盗まれてしまいました。警察からの連絡で自転車を取り戻し、同級生が犯人と判明して
殴る勢いで対面すると、なんと母親は男の子に「羊羹を買ってきたから食べなさい」と
優しく話しかけました。貧しい家庭に育った男の子の境遇を知っていた母は原田さんに
「あなたが殴ることであの子の人生はどうかわるのか」とたしなめました。当時は理解
できなかったが大人になってその意味が痛いほどわかったというエピソード等を紹介。
2013年10月22日
10月20日 第80回放送
鎌田さんと村上さんの付き合いは約12年。村上さんの話の途中でわざと腰を折る鎌田
さんと、鎌田さんの話中に駄洒落で応戦する村上さん。互いに信頼があるから壊したり
水を差したりできるんです。今週は「コミュニケーション」を話題に丁々発止します。
患者さんと家族は、医者の言葉次第で治療の日々が天国にも地獄にもなると鎌田さんは
いい、『言葉で治療する』(朝日新聞)で、医療現場のコミュニケーションのあり方を
示しています。古代ギリシャの哲学者ソクラテスの言葉「医者もまた言葉を扱う人間で
ある」を引用して、心と体をつなげているものは「言葉」ではないのだろうかと言及。
鎌田さんの場合、寝ている患者さんには上から目線にならないようにし、患者さんとの
距離が両者の関係にもつながるので、近くに寄って会話し易い雰囲気を作っています。
緩和ケア病棟を回診するときは、患者さんに半分、付き添いの家族にも半分の時間を割
くようにして声をかけることで、患者さんにも家族にも信頼されるようになると言う。
村上さんは、大阪で学生対象の「ことば磨き塾」を開催していますが、「コミュニケー
ションで△を見つけよう」というワークショップに取り組んだところ、効果てき面。
○か×だけだと、相手の気持ちを汲み取れないまま平行線をたどるが、「別の解」△を
見つけようと努力する過程が、相手の想いに気づくことになり、コミュニケーションに
大切な「相手に身を委ねる」につながるとして、「△哲学」の普及に努めています。
■プレゼント■「経団連」の調査では、新入社員の選考で特に注意しているポイントの
第1位は「コミュニケーション能力」で10年連続。企業も最重要視しているのです。
村上さんを含め12人の体験談をまとめた上田晶美さんの本『働くための話す・聞く』
(ぺりかん社)を5名様に。住所、氏名、電話番号を明記の上、締切は10月25日。
2013年10月15日
10月13日 第79回放送
今週も八ヶ岳南麓の山梨県小淵沢「アルソア本社」からの公開録音です。「半農・半X
(エックス)」という生き方があるのをご存知ですか?半農半画家、半農半医者もOK
半農半アナウンサーでもいい。半分は農のある暮らし、残り半分Xは「本来の仕事」。
ゲストに半農半女優を自称する工藤夕貴さんを迎え、両立の生き方考え方を聞きます。
往年のヒット曲『ああ上野駅』で有名な井沢八郎さんの長女として生まれた工藤さん。
12歳でデビューしアイドルとして脚光を浴びますが、本当は地味な性格で幼い頃から
「がんばる」のは苦手で、常に楽な方を選んできたと告白。イメージ違いで意外です。
人と話すのが苦手、習い事は続かない、学校の成績も普通。コンプレックスを抱える中
人に褒められることに飢えていた彼女が、唯一得意だったのが「英語」だったとか。
27歳でハリウッドへ渡り、国際派女優として活躍するチャンスをうかがいつつ様々な
アルバイトを経験し、活きた英語を学んで出演作品にも反映でき、アメリカ生活で得た
ことは多々あったといいます。そして、帰国した2005年からは富士山麓で自給自足
の生活を実践。女優としてレッドカーペットの上を歩くのも、赤い作業服を着て雑草と
格闘するのも、車の両輪のように大事で、幸せの基準は自分の中にある独立独歩の人。
『奇跡のリンゴ』の木村秋則さんの教えを守って、無農薬・無施肥の栽培にチェレンジ
したり、好きになったり興味を持つとトコトン追求しないと気がすまない性格は見事。
小学生の時に母親から薦められた本は「徳川家康」。「人の一生は重荷を負うて遠き道
を行くが如し、急ぐべからず」という遺訓を口にして、自身の生き方を表現しました。
2013年10月 7日
10月6日 第78回放送
今週は山梨県北杜市小淵沢にある「アルソア本社」のホールで行われた公開録音の模様
をお送りします。浜松町の「文化放送」に集まった番組リスナーは朝8時にバスに乗り
込み高速道路を一路西へ。出発時の東京は小雨ながら山梨県の笹子トンネルを抜けると
甲府盆地は曇り空。そして、目的地の八ヶ岳山麓では青空が一行を迎えてくれました。
会場から車で30分の長野県茅野市に住む鎌田さんは、40年近く朝に夕に八ヶ岳を眺
めているので詳しく、これからのシーズンは紅葉に彩られた八ヶ岳、その先は白い雪化
粧をした八ヶ岳、新緑が映える5月、深い緑に包まれた夏、等々四季折々に表情を変え
魅力溢れる自然を思い入れたっぷりに紹介。更に「諏訪中央病院」の病室からも八ヶ岳
を望めるので「八ヶ岳を眺めて、癒され元気づけられている患者さんもたくさんいる」
「八ヶ岳に登ることを生き甲斐にしている患者さんもいる」等の逸話を紹介します。
会場となった「アルソア本社」の標高はおよそ1100メートル。これは母親の胎内に
いる時とほぼ同じ気圧と聞いて、会場の参加者も一様に居心地のよさを感じると納得。
「アルソア本社」の社員食堂兼オーガニック・レストラン「ザ・ガーデン」三森シェフ
が登場しオーガニック食材を使った料理、それも参加者が(収録後に食べる)「大豆ハ
ンバーグ」をメインにしたランチメニューを紹介。三森シェフ自身90キロあった体重
を70キロまで無理なく減量出来たのは食事のお陰と語り、食べ物から体を健康にする
という考え方を紹介します。それから、会場に集まったリスナーもトークに参加して
「がんばるときは?」「がんばらないときは?」など語り合い笑顔の交歓のひととき。