(かまた みのる)
医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、
東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー
イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会
放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ
ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」
「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。
(むらかみ のぶお)
1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com
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2012年10月30日
10月28日 第30回放送
"本が大好き!"という鎌田さんと村上さんが『読書の楽しみ』をテーマに語り合います。
小学1年生の村上少年が初めて感動した本は『野口英世自伝』。続いて、鎌田さんが人生を
変えた本として挙げたのは中学1年で読んだドフトエフスキーの『カラマーゾフの兄弟』。
難解だけど人生の節目で幾度となく繰り返し読んでその都度ヒントを得ているといいます。
また、鎌田さんが最近話題のダイエット本(?)の中から対照的な二冊を紹介します。
ドクター南雲(南雲吉則)の『「空腹」が人を健康にする 一日一食で20歳若返る!』と
ドクター高須(高須克弥)の『その健康法では「早死」にする!』。美容整形で有名な両者
ですが、『ちょい太でだいじょうぶ』(集英社)の著書もある鎌田さんは、食べる派です。
村上さんが最近感動した本として一押しは百田尚樹さん『海賊とよばれた男』(講談社)。
「出光興産」の創業者出光佐三さんをモデルにした歴史経済小説で、国家と社会のために
奮闘した男たちの生きざまを描き出し、現代人に活を与えてくれる作品です。
続いて、村上さんからは佐伯泰英さんの累計1450万部を突破した時代小説『居眠り盤音
江戸双紙』シリーズの40巻目『春霞の乱』と、作者の大器晩成エピソードを紹介します。
鎌田さんから理系と文系が出会った初めての歴史書という『137億年の物語』(文芸春秋)。
宇宙の誕生から現在までの137億年を24時間に見立て子供から大人まで楽しめる本です。
最後は、パリ在住の剣道師範・好村兼一さんの『影と胡蝶 影流開祖愛洲移香伝』(光文社)
剣術の祖・影流を築いた愛洲移香という戦乱を生きた謎多き男の一生を描いた作品です。
【お知らせ】来週11月4日は「全日本大学駅伝」中継のため番組はお休みします。
2012年10月23日
10月21日 第29回放送
講演会などで各地を巡り、行く先々の「ご当地B級グルメ」を楽しんでいる鎌田さんと村上
さんが、食欲の秋に語り合う『忘れられない味』『とっておきの味』が今回のテーマです。
まずは、鎌田さんが「忘れられない味」として挙げた「もやし炒め」。子どもの頃、父親の
岩次郎さんに連れて行かれた近所の定食屋。「何、食べたい?」と聞かれると、鎌田少年は
(トンカツが食べたい時もあったが、家計を考えて)いつも「もやし炒め」と答えていた。
ただ、岩次郎さんと二人で一皿の「もやし炒め」を半物ずつ分け合いながら食べたことが
いまでは楽しい思い出として残っている。「何、食べたい?」といつも聞いてくれるのが
オヤジなりの優しさなんだと気づいたのは、大人になってしばらくしてからのことだった。
「B級グルメ」については、近々福島の南相馬に出掛ける村上さんに是非立ち寄って欲しい
と「双葉食堂のラーメン」を薦める鎌田さん。シンプルで何度食べても飽きない美味しさ。
一方の村上さんから「いただきます」「ごちそうさま」を言わなくなっている風潮に一言。
食卓に並んだ食材の一つ一つは命の源。人間のために命を投げ出してくれた命があるから
私たちは生きていられる。「あなたの命を私が代わっていただきます」、「いただきます」 にはそういう思いが込められている。だから、あだやおろそかには出来ないといいます。
そして、医師の立場から鎌田さんが一言。最近、一日一食を説く「飢餓ダイエット」が話題 になっているが、食べることによって「美味しい」と感じると幸せホルモンのセロトニンが 腸の周りで増えて、免疫力を高まる。食べる楽しみを我慢してストレスをためるくらいなら
食べた方がいい。もちろん、食べ過ぎはよくないけど!
2012年10月16日
10月14日 第28回放送
『こんなお年寄りになりたい』をテーマに、身の回りにいる理想のお年寄りや、鎌田さんと
村上さんの二人がそれぞれに思い描く理想の年の取り方について語り合います。
長年にわたり滋味あふれる演技で活躍された俳優の大滝秀治さんが先日亡くなられましたが
その話題からスタート。鎌田さん著『がんばらない』をドラマ化した時に父親の岩次郎さん
役を演じたのが大滝さん。頑固一徹だが愛情にあふれ、口数の少ない岩次郎さんに雰囲気が
とてもよく似ていたと振り返ります。そして、話題は高齢者でも障がい者でも誰でも参加で
きる東北応援ツアーで福島県いわき市を訪れた鎌田さん一行の話。79歳と55歳のナイスカッ
プルのエピソードを紹介しながら、旅の感動や出会いは、命に輝きを与えてくれるという
実話を披露。さらに、今月101歳の誕生日を迎えられた「聖路加国際病院」理事長の日野原
重明さんのエピソードを紹介します。
最後は、徳島県在住の90歳の人気ブロガー堀江幸子さんを紹介。70歳で油彩画を始め80歳で
パソコンを購入、84歳でブログを始め、90歳で「さっちゃんのお気楽ブログ」をまとめた本
『また、あした。』を出版! 鎌田さんはその本のまえがきで「生きる強さがいっぱい!
90歳のゆたかな表現力に脱帽!」と賛辞を記しています。
【プレゼント】堀江幸子さん著『また、あした。』(扶桑社)を抽選で3名にプレゼント。
ご希望の方は、おところ、お名前を明記の上、10月19日「必着」でご応募ください。
2012年10月10日
10月7日 第27回放送
"日曜はがんばらない!"と言い続けて半年が経ち、日曜日くらいはがんばらずに過ごそう
という「がんばらない主義」の人が増えてくれることを願いつつ今回もお届けします。
鎌田さんと村上さん共通の友人である歌手のクミコさんをスタジオに迎えました。
クミコさんは東日本大震災が起きた日に宮城県石巻市で被災し避難生活を体験しました。
震災直後は、歌手として何の力にもなれないと思い詰め、無力感にさいなまれたそうですが
"なぜ、あの日あの場所にいたのか?"その巡りあわせの不思議を考えるうちに"微力なが
ら歌の力で復興を後押ししたい!"と決めて石巻を歌手として再出発の場に選び、以来何度
も被災地を訪れています。当初、惨状を目にして何を歌えばいいか迷ったが『ともだち』
(詞永六輔、曲いずみたく)を歌いながら手を差し出すと、彼女の手に重ねてくれる手と手
と手があり、あらためて歌の力を実感したといいます。
また、津波で海水と泥に浸かったピアノを4ヶ月かけて再生させた石巻の楽器店の店主を支
援してきたクミコさん。グランドピアノは「復興のシンボルのひとつ」となり地元での公演
はもとより、今年4月下旬に東京で開かれたクミコさんのコンサートにも登場。コンサート
に馳せ参じた鎌田さんは、彼女が演奏するピアノで『忘れない』という詩を朗読しました。
クミコさんはデビュー30周年は迎え記念アルバム『アロング・ザ・ソングス』をリリース。
「この歌と歩いてきた」のサブタイトルが示す通り、60年・70年代の名曲をクミコさんが
日本語で歌う企画で、鎌田さんは『哀しみのソレアード』に推薦文を寄せています。
2012年10月 2日
9月30日 第26回放送
"絵本は人生で三度読むべき"と作家・評論家の柳田邦男さんは提唱しています。幼い時、
親になった時、人生の後半に差しかかった時の3回です。絵本は読み返すたびに新鮮な感動
を呼び覚まし、心を豊かにしてくれます。絵本は決して子どもだけのものではないのです。
今回のキーワードは「絵本」。絵本好きな鎌田さんと村上さんが選んだ絵本を紹介します。
まず、鎌田さんの推薦する絵本は、内田麟太郎さん作『とうさん』(ポプラ社)。
新しい父親を"おとうさん"と呼べなくて"おじさん"と呼んでいる少年が主人公です。
少年が"おじさん"と呼ぶたびに、父親の緑が濃くなり、河童に近づいていく・・・。やがて
少年は気づきます。思わず泣ける作品。心が温かくなった時にも涙が出るものです。
2冊目は、村上さん推薦の長谷川義史さん作『おかあちゃんがつくったる』(講談社)。
"あれ、こうて"とボクが言うと、"そんなん、つくったる!"と、なんでもミシンで作って
しまうおかあちゃん。でも、おかあちゃんのミシンでは作れないものもあるんです。
せつなくて、あたたかくて、でも笑える、いとおしい家族の物語です。
3冊目は、鎌田さん推薦のはたよしこさん作『ぼくをだいて』(偕成社)。去年9月、南相馬
の図書館で子どもたちに読み聞かせした時の感動のエピソードをまじえて紹介します。
4冊目は、村上さんが一目惚れした小寺卓矢さんの写真絵本『森のいのち』(アリス館)。
「森に息づくいのちの繋がり」をテーマに北海道や本州の森林風景を撮影している写真家で
いのちがいのちを生み出すということを伝える写真絵本です。そして、最後は二人が薦める
田島征三さんの『とべ バッタ』(偕成社)。元気と勇気がわいてくる絵本です。