文化放送

鎌田實×村上信夫 日曜は頑張らない

鎌田 實
鎌田 實
(かまた みのる)

医師・作家。1948 年東京生まれ。
東京医科歯科大学医学部卒業。
37年間、医師として地域医療に携わり、チェルノブイリ、イラク、 東日本の被災地支援に取り組む。2009 年ベスト・ファーザー イエローリボン賞(学術・文化部門)受賞。2011年日本放送協会 放送文化賞受賞。
ベストセラー「がんばらない」をはじめ、「なさけないけどあきらめ ない」「ウェットな資本主義」「アハメドくんのいのちのリレー」 「希望」(東京書籍) など著書多数。
現在、諏訪中央病院名誉院長。

村上 信夫
村上 信夫
(むらかみ のぶお)

1953年、京都生まれ。
元NHKエグゼクティブアナウンサー。
2001年から11年に渡り、『ラジオビタミン』や
『鎌田實いのちの対話』など、
NHKラジオの「声」として活躍。
現在は、全国を講演で回り「嬉しい言葉の種まき」を
しながら、文化放送『日曜はがんばらない』
月刊『清流』連載対談などで、新たな境地を開いている。
各地で『ことば磨き塾』主宰。
http://murakaminobuo.com

過去の記事

番組へのメッセージをお待ちいたしております。 メールはコチラ:kamata@joqr.net

2012年9月25日

9月23日 第25回放送

医師になっていなければ映画監督になっていたかもという鎌田さんと、時間を見つけては
映画館に足を運ぶ村上さんが最新作を俎上にのせて語り合う「映画」がキーワードです。

1本目は鎌田さんが"めちゃくちゃ下品で、めちゃくちゃ上品。面白くて、楽しくて、嬉し
くなる、こんなステキな映画は久しぶり!"というフランス映画の『最強のふたり』。
スラム街出身で無職の黒人青年ドリスと、パリの屋敷に住む大富豪フィリップ。何もかもが
正反対の二人は、事故で首から下が麻痺したフィリップの介護者選びの面接で出会っことか
ら意外な展開となります。実話をもとにした作品で最後に一瞬「本物のふたり」が登場。
続いては、伊・仏合作映画で上映時間6時間39分という超大作の『ジョルダーニ家の人々』
舞台はローマ。幸せそうな家族に突如訪れた不幸の連鎖。三男の死亡事故を機に家族の崩壊
が始まり、母親はうつ病から精神病院に入り、父親は浮気に走り、長女も、長男も、次男も
それぞれに悩みを抱えてもがき続ける日々。いろんな糸が絡まり、とても複雑にストーリー
は展開しますが、ある難民少女の登場を機に、だんだん絡んだ糸がほぐれていきます。
崩壊しかけた家族が、民族や血をこえて、新しい家族として再生していくという物語です。
3本目は、アウシュビッツ収容所で、レジスタンスをしていたボーランド人青年とユダヤ人
女性が恋に落ちるドイツ映画『あの日 あの時 愛の記憶』。強制収容所での運命的出会い
から脱走を計画し奇跡的に成功したが、訳あって生き別れた二人は32年後に再会します。
最後に邦画を1本。精神科医でもある和田秀樹さんが監督した『「わたし」の人生<みち>
~我が命のタンゴ』。ピック病という認知症を患う父とその娘の姿を描いた感動作です。

放送分を聴く
放送日:2012年9月23日

« 2012年8月 | メインに戻る >> | 2012年10月 »

2012年9月19日

9月16日 第24回放送


鎌田さんも村上さんもラジオで聴いたという二代目広沢虎造の『清水次郎長伝』を見事に
再現しながら登場の浪曲師・国本武春さんをゲストに迎えてキーワードは「復活」です。

浪曲は浪曲師が語り、三味線は曲師に任せるのが従来のパターンですが、浪曲界でただ一人
弾き語りで聴衆を魅了し、独自の奏法を駆使してジャンルを超えて活躍中の国本武春さん。
実は彼も難病を克服し"奇跡の復活"を遂げたひとりです。
順風満帆で来た彼が突如病魔に襲われたのは、デビュー30年記念公演を行う矢先のこと。
ときは、一昨年の「忠臣蔵討ち入り」の12月14日。ところは、三重県四日市の文化会館。
公演中に突如シドロモドロになり、そのまま地元の病院にかつぎこまれ10日間意識不明。
診断は「ウイルス脳炎(ヘルペス脳炎)」。 100万人に1人と言われる大変珍しい病気。
高熱、意識障害、けいれん、異常行動、失語症・・・分単位で進行し、手遅れになると再起
不能になるという恐ろしい病気です。国本さんは入院当初「浪曲はもとより、社会復帰すら
難しいかも。日常生活が可能なレベルまで回復するよう力を尽くす」と言われたそうですが
幸いにも快方に向かい意識も戻り、年明けには、会話も交わせるまで回復しました。
管につながれたベットの中で、試しに古典をさらってみたら、言葉がスラスラと出てきた。
ほっと一安心。40日後に退院して自宅で懸命のリハビリを続け、昨年5月1日に舞台復帰。
病気になる前と後では、浪曲への向き合い方も変わり、観衆の笑いひとつ、拍手ひとつが
とてもありがたいといいます。初心にかえり、何ごとも丁寧にと心掛けて新しい自分を楽し
んでいるという国本武春さんです。

放送分を聴く
放送日:2012年9月16日

« 2012年8月 | メインに戻る >> | 2012年10月 »

2012年9月11日

9月9日 第23回放送


小鳥や虫の音など多彩な生きものの鳴き真似を明治時代から伝統芸として継承する一家
「江戸家」の二代目小猫さんをゲストに向かえて「真似」をキーワードにお届けします。

二代目の江戸家小猫さんは35歳。祖父は俳優としても活躍した三代目猫八さんで、父親が
四代目猫八さん。「江戸家」の長男として生まれ、身近なお手本を見よう見まねで覚えて
7歳の時には、親子三代で舞台に立ち、本人も自然な流れで後を継ぐものと思っていた。
ところが、高校3年生の時、突如として病魔に襲われ「ネフローゼ」と診断されて即入院。
(※ネフローゼ=高度の蛋白尿により低蛋白血症を来す腎臓疾患)
治療薬の大量投与から骨はスカスカ、筋肉ボロボロ。圧迫骨折で身長7センチ縮んだとか。
なかなか完治せず再発を繰り返し20代はほとんど自宅から出ることがなかったそうです。
祖父が猫八を襲名した28歳で完治したいと望んでいたがそれも叶わず。いま振り返えると、
病気に対して頑張り過ぎた。生真面目がアダとなり、病気を管理しようとしていたと回想。
父の襲名披露を手伝ううちに病気を意識しなくなった。伝統芸の世界でいう「守・破・離」
と同じ。最初は言いつけ守り、しだいにルール破り、つきあい方わかったら離していく。
祖父の好きな言葉に「芸は人なり」があり、小猫さんの「人」は病気が作ってくれたと。
2009年、父が四代目猫八を襲名し「小猫」が空席になったので特訓を積んで2年後の昨年
二代目江戸家小猫を襲名。動物園巡りを趣味として芸を磨く小猫さんは、祖父も父も出来
なかった動物の鳴き真似が出来るまでに成長。もちろん一子相伝の十八番の伝統芸も健在。

放送分を聴く
放送日:2012年9月9日

« 2012年8月 | メインに戻る >> | 2012年10月 »

2012年9月 6日

9月2日 第22回放送

「伝える」ことは誰にでも出来るけど、では本当に真意が相手に「伝わっている」のか?
となるとこれは難しい。意味がわかり想いが深くないと・・・今回のキーワードは「伝達」。

アナウンサーで「言葉の種まきおじさん」を自称する村上さんの「伝えるモットー」は
"難しいことはやさしく やさしいことは深く 深いことは面白く"(作:井上ひさし)。
鎌田さんの「患者さんに伝えるモットー」は"わかりやすい言葉を使い、説明は丁寧に!
そして、本当のことを言ながら、生きる力を与える言葉も付け加えることを忘れない!"。
心と体を分けない、心と体をつなぐのは言葉だ!という鎌田さんらしいモットーです。
「ナラティブセラピー」という治療法があり、患者さん自身が自分のことを話すことで、
自分で自分の心を支え、自分で答えを出しながら、癒されていく治療法なのだそうです。
また、内戦が続くシリアで亡くなったジャーナリスト山本美香さんが伝え続けた事を追想。
"人道的な見地からも目をそらしてはいけない大切なことがたくさんあります。仕方ない
こと、直接関係がないことと排除してしまうと、やがて形を変えて私たちに返ってくる。
報道することで社会を変えることが出来ると信じて・・・"。
紛争地に出かけて行って、現場から女性の視点で伝え続けた山本さんに合掌。
最後に、今春開設された『よりそいホットライン』という24時間無料の電話相談を紹介。
失業、自殺、家庭内暴力・・・「心の悩み」「家族の悩み」「お金の悩み」よろず相談所には
毎日2万件に及ぶ相談が寄せられ、たらい回しにせずに相談員が応えるシステムです。
『よりそいホットライン』フリーダイヤル0120・279・338(つなぐ・ささえる)

放送分を聴く
放送日:2012年9月2日

« 2012年8月 | メインに戻る >> | 2012年10月 »