
寺島尚正 今日の絵日記
2025年3月24日 ソメイヨシノ標本木チェック
先日金曜、東京のソメイヨシノ開花の標準木がある靖国神社を参拝した。ヤマザクラは綺麗に咲いていたが、標本木は硬い蕾のままだった。
いずれにしても、花見の時期は直ぐ其処に迫っている。
他方気をつけたいのが感染性食中毒である。
3月に入っても全国的にノロウイルスによる急性胃腸炎が増加中だ。どこで感染したのか分からないケースも少なくないという。ノロウイルスは胃や腸を傷害する病原体で、経口的に感染し、激しい下痢や嘔吐を起こす。乳幼児や高齢者が感染すると脱水状態になり、重症化することもあるが、一般には数日で回復する。日本国内の食中毒の原因として、最も頻度が高い病原体である。
私達は何処に気をつければよいのか。国立感染症研究所によると、ノロウイルスは、二枚貝などで感染するケースもあるが、患者の便やおう吐物のほか、汚染された食べ物などを介してウイルスが口に入ることで感染することが多い。細菌性の食中毒の多くは、感染するには菌が食品の中で増える必要があるため、増殖しやすい夏に流行する。一方、ノロウイルスは、ウイルスで感染力が強いため、食品の中で増殖しなくても、わずかなウイルス量で中毒を起こす。食品ではなく、物に付着したウイルスが原因となるケースも多く見られるのだ。例えばトイレのドアノブや水を流すレバー。こうした場所に付着したウイルスを健康な人の手につき、無意識に口に運んで感染してしまう。実は、環境からかかるケースの方が食品よりも多く、どこで感染したか分からない場合は、その可能性が高いとされている。具体的には手洗いを頻回にする。これは、環境中のウイルスを手に付けないために有効な予防法である。またウイルスが付着していることの多い、トイレのドアノブや水を流すレバーなどを触った時は、せっけんを使ってよく洗う。こうした汚染されやすい場所の消毒も大切で、消毒薬には次亜塩素酸を使う。ウイルスにはアルコール消毒が効かないからだ。
ところで、つくば市の産総研・産業技術総合研究所で感染対策について研究が行われている。研究チームが着目していたのは「トイレのふた」だった。
トイレの水を流すとき、ふたを閉めると感染防止につながるという。
実験では、ふたを開けたまま水を流した動画を見ると、目には見えにくいしぶきが四方八方に広がる。中には1メートルほど飛ぶものもあった。
さらに、1ミクロンというごく小さい「エアロゾル」は、ふたが開いていると便器の上に広がっていくのがわかった。一方、ふたが閉まっていると前方に向かっていった。さらに実験から便器の枠外に出る「エアロゾル」の数は、ふたを閉めた方が「4分の1」に抑えられたのである。ふたの開け閉めで差があることを可視化した今回の実験。新たに注意すべき点もみえてきた。それは利用者がいる位置。実験で、ふたを閉めていても、便器からはどうしても水が空気を押し出して外に「エアロゾル」が出てしまう。15センチ位の所までは比較的濃度が高く「エアロゾル」が発生しているので、15センチ程トイレの前方部分から離れて、水を流すレバー操作をしてもらうとより安全だという。
研究チームが、実験でもう1つ確かめたことがある。ふたを閉めて水を流した場合、ウイルスを含んだ飛まつはどこに付着するのかという点だ。
付着した部分を掃除すれば感染につながるリスクを減らせることになる。
実験では、トイレの端から25センチ離れた「両側の壁」に比較的多かった。
日常のトイレ掃除では見落としやすいトイレ個室の「壁」。感染リスクを下げるため、便座やふただけなく壁についても定期的に掃除する必要性が分かった。
実験から分かったことは、トイレの水を流す場合、便器の蓋を閉めて、前方なるべく15センチ以上離れてレバーを操作し、手をしっかり洗う。また掃除は、便器脇の壁を、次亜塩素酸を使って掃除をする、ということ。これがノロウイルスなどさまざまな感染症を防ぐために必要だと知った。
ソメイヨシノ標本木チェック
標本木立て看板付き
標本木立て看板付き3月21日現在
ヤマザクラはお先に
静寂な空間
- 3月17日
- 3月24日