JR東日本は、先日土曜、3月15日のダイヤ改正から、中央線快速・青梅線でグリーン車サービスを開始した。グリーン車は、E233系電車の2階建て4・5号車である。これまで「お試し期間」としてグリーン料金不要（普通車扱い）で乗車できたが、その措置が終わったのだ。

グリーン車の導入区間は、東京～大月間（E233系で運行する電車）、青梅線の立川～青梅間（中央快速線と直通運転を行う電車）。

中央線快速・青梅線のグリーン車は、各駅でのスムーズな乗降を可能にするため、両開き式のドアや自動回転式の座席が2階建てグリーン車として初めて導入された。

3月15日以降に乗車する際は、乗車券や定期券のほかに、「普通列車グリーン券」を購入する必要がある。グリーン車の利用料金は、東京 - 八王子間など50kmまで通常1010円、交通系ICカード「Suica」やモバイルスイカでは750円だ。首都圏のJR線普通列車では、東海道線、横須賀線、総武線、常磐線、宇都宮線（東北本線）、高崎線でグリーン車が連結されていて、すでにおなじみのサービスといえる。しかし、中央線快速向けのグリーン車は、他路線用のグリーン車とは異なる特別仕様となっている。

見た目でわかりやすいのが、乗降用のドアが「両開き」になったこと。これまでのグリーン車では、扉が1枚の「片開き」ドアだった。乗客数が多く、東京駅の折り返し時間も限られるという特徴のある中央線快速では、ドアを両開きにすることで開口幅を広げ、乗降時間の短縮を図っている。グリーン車サービスの正式提供開始前、グリーン車は無料開放されていて、特にこの車両に旅客が集中する場面も見られたが、それでも普通車と同じ両開き扉のため、乗降に時間を要すことは少なく、その設計が効果を発揮したと聞く。

中央線快速では、東京駅の折り返し時間が少ないため、座席を自動で回転させる機能がグリーン車に導入されたことも特徴だ。新幹線や一部特急車で導入されているこの機能だが、一般列車用のグリーン車では初の導入という。

Suicaグリーン料金は、モバイルSuica(Apple PayのSuicaを含む)やカードタイプのSuica等に、グリーン券情報を記録して購入した際に適用される。紙のきっぷは発行されない。

モバイルSuicaとSuicaカードでも、購入方法や支払い方法が異なる。

モバイルSuicaはアプリで、SuicaカードはSuicaエリア内のグリーン車停車駅にある券売機で購入する。また支払いは、モバイルSuicaはチャージ残高ではなく紐づいたクレジットカードもしくはApple Pay、Suicaカードはチャージ残高からとなる。

モバイルSuicaでの購入方法は、モバイルSuicaアプリを起動し、画面下部の「グリーン券」をタップする。「新規購入」へと進み、乗車駅と降車駅を入力する。ここで中央線沿線の駅を選択し、その後、購入画面に進んで、任意の支払方法を選択して購入でる。

カードのSuica（PASMOも可能）での購入方法は、駅の券売機で購入する場合、「グリーン券」ボタンにタッチし、その後「Suicaグリーン券」をタッチする。券売機にSuicaを入れて、降車駅の「線名ボタン」、グリーン車降車駅を順に選んでいく。購入後はグリーン券情報がSuicaに記録されるので、モバイルSuicaの時と同じように、座席上の読取部にカードをタッチして利用する。

なお、駅のホームに設置されているグリーン券の券売機では、手順やカードの読み込ませ方などが異なる。モバイルSuicaおよびカードのSuicaの注意点として「2名さま分以上のSuicaグリーン券はお求めいただけません。別にグリーン券をご購入されると上書きされ、無効となります」とある。

さらにモバイルSuicaに関して「iPhoneに2枚以上のSuicaを登録している場合も、会員ご本人さまご利用分のみお求めいただけます。(同行者のご利用はできません)」とあるので注意が必要だ。

車内では、着座する席の上部にある「グリーン券情報読み取り部」に、券購入に使用したスマホやカードをタッチすると、ランプが空席を示す赤色から、着席を示す緑色に変わる。あとはのんびり座って、目的地に向かうだけだ。ただし、普通列車グリーン車は「自由席」のため、グリーン券を購入したからといって必ず座れるわけではない。つまり、早い者勝ちなのだ。

注意が必要なのは、グリーン車のデッキに立っていたとしても料金はグリーン料金となることである。

中央線グリーンサービス初日に、東京駅から八王子までグリーンサービスを利用してみた。グリーン車は、始発駅で社内清掃が入る。テキパキとスタッフが作業を終えた後、乗車となる。料金は７５０円。土曜日ということもあり、利用者は少なめだった。その分、落ち着いて本が読めたし、小一時間の旅気分が味わえ、非常によかった。時折、グリーンサービスの女性スタッフが巡回する。話を聞いてみると、グリーンサービス初日とあって記念品を販売しているという。記念品は、特製ポストイット、ボールペン、マスキングテープを用意していて、飲み物は、お茶とお水を有料で用意しているとのことだった。

折角なので、１０００円でマスキングテープを購入した。すると、おしぼりと、スタッフ直筆のメッセージカードを手渡してくれ、心がほっこりした。

疲れた時、気分転換がしたい時、旅気分と比較的落ち着いた空間が得られるのであれば、７５０円、コーヒー２杯分はけっして高くないと感じた。

さて、次はいつ利用しようか・・・。

中央線ホームにお目見え

静かな空間

国立競技場を眺めながら

中央線グリーン車登場記念

特製マスキングテープ

記念プレゼント

初日記念！