浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2025年3月10日 名残雪

週末、八王子も夕方雨に雪が混じり、地面が薄ら白くなった。

暖かい日を幾日も肌で感じ、二十四節気の「啓蟄」を過ぎると、気持ちの上では「もう春」と決めつけがちであるが、冬との別離は左程容易くないらしい。

日本気象協会は「2025年桜開花予想(第3回)」を発表した。

気象台の標本木は、東京で22日、福岡で23日、大阪で26日に開花し、3月末までに九州から関東にかけての広い範囲で開花するとみている。

桜の満開は、西日本でおおむね平年並み、東日本と北日本は平年並みか早い見込みだ。4月に入ると、長野や北陸、東北の多くの地点で開花し、金沢では4月2日、仙台では3日、長野では8日に開花する見込み。4月下旬には桜前線は北海道へ到達し、札幌では25日に開花する見込みである。

西日本と東日本では、2月はたびたび強い寒気の影響を受け、厳しい冷え込みになった。寒暖差が大きく、春本番の暖かさの後は、寒のもどりとなっている。3月中旬は暖かい日が多くなり、3月下旬にかけて気温は平年並みか高い見込みで、おおむね平年並みの開花と満開になるようだ。関東甲信は2月の寒気の影響が小さかったため、平年より早い開花と満開になる所もあるという。

北日本は、2月の気温は平年並みか高く、この先3月から4月にかけても平年より気温が高めの傾向が続くため、桜の開花・満開ともに平年より早い所が多い見込みである。

他方、ウェザーニューズでは、全国に先駆けソメイヨシノは3月21日(金)に東京から開花が始まる予想で、翌3月22日(土)には横浜が続くとみられている。3月中に関東各地や甲府でも開花し、4月7日(月)には長野でも開花を迎えそうだ。満開は開花から一週間前後で、平年並かやや早い満開時期となる見通しである。

ところで、各気象会社はどうやって予想開花日を計算しているのだろうか。

桜の開花・満開時期を左右するのは、前年の秋からの気温の推移だという。

桜の花の元となる花芽(かが)は開花前年の夏につくられ、「休眠」と「生長」の2つの過程を経て開花に至る。花芽は形成されてもすぐには生長せずに、まず休眠に入る。これは寒く日も短い冬を生き抜くためのもので、桜以外でも温帯の植物の多くに見られる性質である。冬を前に自ら葉を落とし生命活動を最低限に抑える。そして、秋から冬にかけて一定の低温(-5~15℃)にさらされると春が近づいていることを感知して覚醒する。これを「休眠打破」という。休眠打破後は生長段階に入り、春先の気温の上昇に伴い開花へ向かって生長していく。この段階になると気温が高いほど生長の度合いも大きくなる。休眠中は花芽に見た目の変化は現れないが、生長段階に入り開花が近づいてくると花芽は徐々に膨らみ始め、次第に花芽の先が黄緑がかってきて、開花直前には花びらが垣間見えるようになる。

桜の開花・満開予想には、 秋から冬にかけての低温や、桜の生長状態、積算温度を計算し、過去データ、その地点の開花・満開の予想日を算出していると聞く。また開花・満開予想日は、気象庁標本木の観測基準に基づいており、「標本木で5~6輪以上の花が開いた状態となった最初の日を開花日、標本木で約80%以上のつぼみが開いた状態となった最初の日を満開日」としているのだそうだ。

近所の桜を調べてみると花芽はまだ硬いものの、準備は着々と進んでいる雰囲気だった。

春は、いよいよ近い。


名残雪
名残雪

花芽の具合は
花芽の具合は

春花開く
春花開く

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