寺島尚正 今日の絵日記
2024年12月2日 目に鮮やかな赤
今年もあと1ヶ月。
街の花屋では、ポインセチアの存在感が増している。
別名「クリスマスフラワー」と呼ばれ、赤と緑のカラーが特徴的なポインセチア。赤い花びらのような部分は苞(ほう)と呼ばれる「葉」の一種で、日照時間が短くなると花の周りの葉っぱだけが赤く染まる。
花は中心に黄色く見える小さなつぶつぶの部分だ。
ポインセチアは中央アメリカ(メキシコ)原産の常緑性低木。
クリスマスを彩る植物として定着しているため冬の植物のイメージが強いが,寒さには弱く霜にあたると枯れてしまうので注意が必要という。
園芸品種は年々多様化し,従来の赤色に加え,ピンクや黄色,乳白色,斑入りのもの,苞がカールしているものなどがある。
短日植物で、日本の自然日長下では10月下旬から花芽ができ始め,着色する。生産者はシェード栽培による短日処理を行い,10月下旬から出荷していると聞く。短日植物とは、日照時間が短くなると花をつける植物のことだ。
そもそもポインセチアはなぜ赤くなるのか。調べてみると、虫を赤色で誘き寄せて受粉を促す習性があるから。 花が小さく受粉しにくいというデメリットを、特有の進化を遂げて克服したようである。 そのため、ポインセチアは花芽がつくと同時に、段々と色づいて冬開花頃には赤くなるのだ。
ポインセチアという名前は、アメリカの初代駐メキシコ大使であるポインセット氏の名前に由来している。ポインセット氏は、メキシコで自生していたポインセチアを見つけ、帰国の際にアメリカに持ち帰り普及させた。ポインセチアが日本に伝わったのは、明治時代で、和名は「猩々木(しょうじょうぼく)」とされていたが、今日では日本でも和名はほとんど使用されていない。
ポインセチアがクリスマスの花とされるようになった主な由来の1つが、色である。クリスマスによく使用される赤・緑・白の3色はクリスマスカラーと呼ばれ、赤は「キリストの流した血の色」、緑は「永遠の命や愛」、白は「純潔」を表す。葉が赤と緑、樹液が白のポインセチアは、まさにクリスマスにぴったりの植物なのだ。
ポインセチアの花言葉は色によって違うようだが、赤いポインセチアの花言葉は「祝福する」「幸運を祈る」「聖夜」「私の心は燃えている」とある。
正にクリスマスにぴったりの植物なのだ。
因みに翌年以降は、秋に短日処理をしないと緑色のままか、ほとんどが自然に年明けくらいにぼやけながら色が変わる程度だという。ポインセチアの鮮やかな赤は栽培者の努力の賜なのである。
ポインセチアの色溢れゐる夜の花舗 宮南幸恵