寺島尚正 今日の絵日記
2024年11月11日 楽しい思い出が出来ますように
11月15日は、子どもの成長を祝う七五三。
この時期、神社やお寺を参拝し、可愛らしい晴れ着姿をよく見かける。
子どもが誕生すると、お七夜から始まり、お宮参り、お食い初めから成人式までさまざまな祝い事がある。
特に、子どもが小学校に入学する前にたくさんの祝い事があり、家族の思い出として刻まれている。
七五三もその1つだ。
七五三と言えばその名の通り7歳、5歳、3歳のお祝いをする行事だが、「3歳、5歳、7歳の3回お祝いするのだっけ?」「男女で違う?」「昔の数え年で祝う?」など、様々な疑問が湧いてくる。
七五三はこれまでの子どもの健やかな成長を祝うとともに、これからも元気にすくすくと成長することを祈願する行事で、毎年11月15日が七五三の日と定められている。
元々は平安時代に宮中や武家で行われていた「髪置き」「袴着」「帯解き」3つの行事が始まりである。
江戸時代に入ると徐々に裕福な町人の間でも行われるようになり、明治時代に3つの行事を1つにして「七五三」と呼ぶようになったと言われている。
まず髪置き。
子どもに丈夫な髪が生えることを願い、お七夜の日から髪の毛を剃る風習があった。
その後、3歳から髪を伸ばし始めて「髪置きの儀」の日に髪を結い直していた。
鎌倉時代に「生髪(せいはつ)」という儀式になり、江戸時代に男女ともに3歳のお祝いとなった。
続いて袴着(はかまぎ)。
昔は袴を身に着けることが男性社会の仲間入りすることだとされていて、男の子が5歳になるときに初めて袴と小袖を着て手に扇を持つ儀式として行われていた。
そして帯解き。
7歳になる前の女の子が付紐の着物から本式の帯を締めるようになることを祝う儀式で、鎌倉時代からの風習。
室町時代には9歳の儀礼とされていたが、江戸時代末期から7歳で行われるようになった。
七五三は男女で祝う年齢が異なる。
3歳は男女ともにお祝いをするが、5歳は男の子、7歳は女の子のお祝いをする。
ただし地域によって違いがあるようだ。
祝うのは、数え年でお祝いをしていたが、現在は満年齢でお祝いするのが一般的のようだ。
ただ、兄弟で同じタイミングにお祝いできるよう、1人を数え年、もう1人を満年齢で行うなど柔軟に行う家庭も多くある。
早生まれの子は生まれ年に行うのが一般的だが、友だちと同じ年にお祝いできるよう学年で祝っても問題ないという。
お祝いする日は11月15日にこだわらず、七五三の前後(10月頃~12月頃)に行っても構わない。
現在の七五三のお祝いは、「晴れ着を着て写真を撮る」「神社やお寺にお参りする」「家族で会食する」の3つが一般的だという。
しかし、この3つをしなくてはならないという決まりもない。
神社やお寺、フォトスタジオ、ホテルなどでは七五三プランやパックを用意しているところが多くあり、晴れ着のレンタルや撮影、祈祷、会食などがセットになっているプランもある。
また、写真撮影は前撮りができ、撮影でレンタルした晴れ着をお参り当日にもレンタルできる便利なプランを利用する人も増えていると聞く。
七五三の服装は、男の子は袴やスーツ、女の子は振袖やワンピース、親はスーツや着物を着る家庭が多いが、これも決まりはない。
大切なのは、子どもの健康や成長を願う気持ち。
ところで、七五三の時期、近頃気になるのが、神社の中には「撮影禁止」とだしている場合があることだ。
これは記念撮影の際、過剰な演出・効果や大がかりな機材の持ち込みなどが他の参拝者の迷惑行為になる場合があるからである。
「参道に寝転がって撮影するカメラマンが邪魔」「写り込む込んでしまうので、移動しろと大声を出された」などである。
ある神社では、七五三の時期になると、出張撮影のプロカメラマンでごった返し、脚立やレフ板などが所かまわず置きっ放しになっていたこともあると聞く。
子どもの衣装替えにトイレを長時間使ったり、かき集めた落ち葉を舞い散らしたりする行為がエスカレートしている。
境内の撮影を巡っては、神社やお寺ごとに対応が異なり、プロカメラマンの出張撮影を全面禁止としている場合もあれば、事前許可制、有料許可制などとしているケースもある。
多くの神社やお寺では、家族や友人によるスナップ写真の撮影については、申請や許可は不要としているが、社殿内での撮影や祈祷中の社殿内が写り込む撮影を禁止している神社もある。
境内で記念撮影を考えている場合は、事前にそれぞれの神社やお寺のルールを調べておくべきである。
親からしてみれば、次に着物姿を見るのは成人式だろうから、記念になる写真を撮りたい気持ちだろう。
しかし罰当たりな事を行うのは本末転倒、いただけない。
見栄えだけの写真より、楽しい思い出が詰まった一枚が残せるのを願う。
飴袋引きずり歩む七五三 大関とし子
合はす手の小さくずれて七五三
七五三欠伸のままを撮られをり 平尾隆士
- 11月 5日
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