寺島尚正 今日の絵日記
2024年10月15日 齧られないように
早朝番組担当の小生、午前3時頃、街中飲食店前のゴミ集積場で、週に1,2回ネズミに遭遇している。
こうしたネズミの相談は、秋が最も多くなると聞いた。
飲食店だけでなく、一般家庭からも悲鳴が上がっているらしい。
調べてみると、ネズミは1年中繁殖するが、3~5月ごろと9~11月ごろの2回繁殖のピークがある。
繁殖期が2回あるのは、ネズミの成長が早いから。
生まれて2~3ヶ月ほどで大人になるので、春に生まれた子ネズミが秋には繁殖できるようになるのである。
飲食店の中には、営業中に配線の間にネズミが入り込みヒューズが飛んで停電。
当日翌日2日間営業が出来ないケースがあった。
「日本ペストコントロール協会」の調べによると、一昨年8月には約470件だった相談件数が、9月に628件、10月は825件、11月になると942件と増える傾向にあるという。
ネズミは、せっけんや食品、アルミでできた針金までかじる。
厄介なことに、ネズミはわずかな隙間にも巣を作り、気づかぬうちに繁殖を繰り返す。
専門家は、1軒だけで対策をしても十分ではないと指摘する。
それによると、ネズミは少なくとも1キロ圏内くらいは移動できるので、1軒だけ駆除してもすぐ隣からやってくる。
町単位や行政単位で取り組まなくてはいけないのだ。
またネズミは種類によって生態が異なる。
近年繁華街などで見かけるドブネズミ。
屋外で見かけることが多いが、屋内で見かけることもある。
下水溝や土の中に暮らし、雑食性で残飯以外にも昆虫やナメクジ、動植物など何でも食べる。
渇きに弱いため、水がある場所を好み、侵入口があると餌のある飲食店などのキッチンに出ることもある。
家屋やビルの中で見かけるのはクマネズミ。
ビルの中や天井裏などで暮らし、雑食性で何でも食べるが穀類を好むという特徴がある。
配管を上るなど上下運動が得意なため、天井裏を活動範囲としていて、粘着トラップに捕まりにくく、毒餌をしかけても食べないことも多い。
重要なのは、どちらのネズミにも共通する対策をとること。
それは、えさや巣になるゴミを放置しないことだという。
ある地域は、ゴミを蓋付き容器に入れて出すこと、ネズミがゴミに触れる時間を短くするために、終業後から午前2時までの間にゴミ出しをし、収集業者は午前5時までにゴミ収集することを統一ルールとして定めた。
一般家庭では、まずはエサや巣になるゴミにネズミが触れられないようにすることが重要だ。
ネズミはゴミ袋の表面からかじるので、生ごみを捨てるときは袋の真ん中にいれる。小さいネズミは1センチの隙間でも入ることができるので、蓋付きのゴミ箱にする。
プラスチックのゴミ箱をかじるネズミもいるので、定期的に穴が空いていないか確認する。
地味にみえる対策だが、こうした努力を続け清潔な環境を保つことが重要なのだ。
それでも自宅でネズミと遭遇したらどうすればよいのか。
ネズミは人間にも感染する病原菌を持っている場合もあるため、一般の人が近づくことは危険。
そうした場合は、プロの駆除業者などに任すことも選択肢に入れると良い。
一方で、そうした駆除に関して国民生活センターが警鐘を鳴らしている。
全国の消費生活センターなどに寄せられた「害虫・害獣駆除サービス」の相談は、年々増加傾向にある。
2023年度の相談件数は2290件、2022年度に比べ1.5倍にまで増加した。
具体的な相談事例は、ネズミが増えると不安をあおってすぐに契約させたり、広告と異なる法外な値段を請求されるなどである。
ではどうしたらよいのか。
国民生活センターによると、ネズミを見てパニックになっても、まずは落ち着いて周囲の人や管理会社などに相談する。
極端に安い価格を提示するサイトや広告に注意する。
1社だけでなく複数社で見積もりをとって契約する。
おかしいと思ったらすぐに消費生活センター「188(いやや!)」に相談する、などが重要だという。
何事もそうだが、先ず落ち着いて、信頼できる人に相談するのが大切なようだ。
木々の葉が色づいてきた。