寺島尚正 今日の絵日記
2024年9月30日 便利の陰には事故がある
「ずぼら飯」「ずぼら調理」という言葉を初めて耳にしてからどの位経っただろうか。
今ではおなじみの調理法といっても過言ではない。
ステイホームを余儀なくされたコロナ禍に、自炊する個人や家庭が増えた。
便利な調理家電も増え、手軽に美味しい料理が作れるようになった。
このところ、タイパ(タイムパフォーマンス)といった時間の効率さを重視する志向の高まりなどを受けて、調理になるべく手間をかけない料理を売りにしたレシピ動画なども登場している。
一方で「ずぼら調理」は、火傷など重大な事故につながる恐れがあるとしてNITE製品評価技術基盤機構は事故の再現映像を公開して危険性を呼びかけている。
事故の事例としては、2020年3月にはカップ麺を調理する際に容器ごと電子レンジで加熱したことで、容器が爆発し電子レンジそのものも破損した事故が発生。
カップ麺やレトルト食品のアルミパウチなど金属製の容器やアルミホイルを電子レンジで加熱すると、破裂や発火する恐れがあるほか、卵や切り込みを入れていない栗なども破裂する危険性があるとしている。
冷凍食品や作り置きの料理を食べるときなどに使うことができ、私たちに温かい料理をいつでも提供してくれる電子レンジだが、今、あるモノを加熱すると危険だという投稿が話題になっている。
ある料理研究家が
「卵を電子レンジで加熱すると、爆発することは有名だと思うけれど、それより更に絶対に電子レンジに入れてはいけない食べ物があります。『ぶどう』です。特に2つはNG。下手をしたら火災レベルなので気を付けてほしい。」
と、2粒のブドウが光っている写真を投稿している。
電子レンジでの加熱に使われるマイクロ波などを研究している専門家は事故という観点で見ると、短時間でブドウの水分が蒸発してカラカラになり、一部が炭化すると燃え始める可能性があるという。
また牛乳・コーヒー・スープの温めにも注意したい。
電子レンジで飲み物を温めすぎると、中身が飛び散ることがある。
通常、ガスコンロを使いお鍋で温めると沸騰するが、電子レンジの場合は中に熱が溜まることがあり、この状態でスプーンやお箸を入れると、顔、机、床など周り一面に飛び散る危険がある。
この際、電子レンジで温める場合は、時間を控えめに調整するとよい。
トマト・たらこ・ソーセージにも注意が必要だ。
皮や膜がついた食材は、卵と同じく膨張して破裂することがある。
皮や膜に切れ目を入れると、水分が外へ逃げて破裂を防げるが、十分に注意が必要。
加えて耐熱でない容器を電子レンジに入れると飛び散ったり燃えたりする。
近年の電子レンジは機能も増えて安全も進歩しているが、だめな物はだめ。事故を防ぐためには、調理前に取扱説明書や商品パッケージを確認して禁止されている容器や食品を加熱しないよう注意したいものである。