浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2024年9月17日 奉納踊り会場使用前

文化放送がある浜松町の神社と言えば芝大神宮が有名であるが、その芝大神宮では「だらだら祭り」が行われている。
秋祭りとして有名で、芝大神宮の主祭神には伊勢神宮内宮、外宮の神である天照皇大御神・豊受大御神を祀られている。
東京都心部の多くの神社の祭礼が夏祭りとして行われているのに対し、このお祭りはあくまで秋祭りであり、五穀豊穣の神を祀る神社にふさわしいとされている。
祭りは長期間行われるのが特徴であり、例年九月十一日から二十一日の十一日間にもおよび、日本一長いお祭りであるとも言われてきた。
だらだらと長い間、祭りが続くので「だらだら祭り」の俗称が生まれたという。
さすがに「だらだら」に当て字がなされ、「太良太良」と記してある。
御鎮座の際、神社周辺で多く作られていた生姜をまず神前にお供えし、秋祭りには生姜が供えられ、境内や参道でも盛んに売られたため、「生姜祭」とも呼ばれる。
「生姜は穢悪を去り神明に通ず」といわれ、江戸時代には、神社の二町四方に生姜の山ができ、それが三日のうちに一茎も残らず売り尽くされたと伝えられている。
古来薬用として重用され、毒消しの効果が知られる生姜は、病災を除き、諸厄を祓い神明と結びつくということから、長寿を願う縁起物として大いにもてはやされたようである。
現在でも境内で御前生姜は撤下されている。

先週の金曜土曜は、芝界隈で奉納踊りも催され、近所の人達が熱帯夜の中、繰り出していた。
そして、15日、氏子各街の神輿連合渡御が行われた。
普段はビジネスマンが行き交う街が、神輿半纏の面々が発する威勢の良い掛け声が、コンクリートにこだまして、十五基の神輿が波のように上下しながら進む光景は、江戸と令和の見事な合体状態だ。
ビルだらけの芝の街ではあるが、祭りの伝統がしっかりと守られているのには大いに感動した。
「火事と喧嘩は江戸の華」といわれ、歌舞伎『神明恵和合取組』で演じられる「め組の喧嘩」は、芝大神宮の境内で起きた実際の事件というが、私が見る限り、喧嘩もなく素敵に歴史を重ねているように見えた。

太良太良祭りはまだまだ続く。


奉納踊り会場使用前
奉納踊り会場使用前

奉納踊り会場使用後翌朝9時
奉納踊り会場使用後翌朝9時

祭りの後
祭りの後

だらだら祭り 神輿
だらだら祭り 神輿

伝統は受け継がれている
伝統は受け継がれている

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