浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2024年8月12日 残暑お見舞い申し上げます

8月8日夕方、宮崎県で震度6弱の揺れを観測するマグニチュード7.1の大きな地震があり、九州で、最大で50センチの津波を観測した。
この地震で気象庁は南海トラフ地震の想定震源域では大規模地震が発生する可能性が普段と比べて高まっているとして「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表した。
この情報が発表されたのは2019年に運用が始まってから初めてである。
気象庁は、この情報が特定の期間中に必ず地震が発生することを伝える情報ではないとしたうえで、巨大地震に備えて防災対策の推進地域に指定されている29の都府県の707市町村に地震への備えを改めて確認してほしいと呼びかけている。
また、内閣府などは▽家具を固定したり▽避難場所や家族の安否確認の方法をチェックしたりするほかお年寄りや体の不自由な人、小さな子どもがいる家庭や施設では避難に時間がかかることも想定されるとして、必要に応じて自主的な避難も検討するよう呼びかけた。

そんな地震に注意しながら今年もお盆休みの時期である。
帰郷や旅行に出かける方も多いことだろう。
地震はさておき、休みの期間、ずっと晴天だったらよいのだが、北日本では台風5号が向かっている。
そうでなくとも、日中気温が上昇し、大気の状態が不安定な場合、雷雨に見舞われないとも限らない。
その例として、先日埼玉に降った短時間の大雨を確認しておきたい。

8月7日夜、埼玉県に「記録的短時間大雨情報」が相次いで発表された。
記録的短時間大雨情報とは、数年に1度程度しか発生しないような短時間の大雨を観測したり、解析したりしたときに気象庁が発表する情報である。
具体的には、1時間に100ミリ前後の猛烈な雨を観測したり、解析したりした時に、気象台から発表される。
7日夜6時45分までに埼玉県ときがわ町付近でおよそ120ミリ、鶴ヶ島市付近、鳩山町付近、東松山市付近でおよそ100ミリの猛烈な雨が降ったとみられる。
短時間に猛烈な雨や激しい雨が降ると、低い土地では雨水を排水できなくなり、浸水することがある。
実際にどうなったのか。
埼玉県の越生町、鳩山町、毛呂山町を管轄する西入間広域消防では、住宅が水につかったという通報が相次いで寄せられた。
埼玉県の川越警察署によると、大雨の影響で市内の少なくとも10か所以上の道路が水につかった。
埼玉県の川越市と川島町を管轄する川越地区消防によると、アンダーパスが冠水しているという通報が複数寄せられた。
埼玉県の飯能警察署によると、日高市高萩地区で、国道407号のアンダーパスに車が1台冠水して動けなくなったという通報が寄せられた。
このほかにも複数の道路冠水が確認された。
大雨を受けて埼玉県越生町は中央公民館と梅園コミュニティ館の2か所を避難所として開設する準備を進めた。
埼玉県嵐山町にある東武東上線の武蔵嵐山駅近くの道路がひざくらいの高さまで水につかり車3台が立往生したという。
車に乗っていた人は全員脱出していて、けが人はいなかった。
大雨の影響で、東武東上線は、運転の見合わせ区間を池袋駅と小川町駅の間の上下線に拡大した。
特に短時間に大雨が降ると、線路や道路などの下を通る「アンダーパス」は大雨で冠水しやすく、気づかずに車が入り込み乗っていた人が死亡する事故もたびたび起きている。
大雨の中で車の運転はなるべく控える。
また、大雨に伴って土砂災害の危険度も高まる。
土砂災害が発生する直前には、斜面から小石が落ちてきたり突然水が湧き出したりする他、斜面に亀裂ができたり、「山鳴り」や「地響き」が起きたりすることがある。
こうした異常に気づいた場合には直ちに安全を確保する。
斜面や渓流などには近づかず、離れた頑丈な建物の高い場所に早めに避難するのが安全だ。
川の氾濫にも警戒が必要である。
都市部を流れる川では、短時間の激しい雨で水位が急激に上昇し、氾濫の危険性が高まる。
また、大きな川では、流域の広い範囲で雨が降り続くと、氾濫の危険性が高くなる。
自分のいる地域で雨が降っていなくても、上流で降った雨で増水することがある。
気象情報のほか、川の水位の情報や自治体の避難情報を確認し、早めの避難を心がけて欲しい。
川の様子を見に行くことは危険なので控える。
7日の夜は雷も激しかった。

雷は、強い上昇気流によって、上空高くまで発達した積乱雲で発生し、もくもくと成長する積乱雲が見えたときは、落雷への注意が必要だ。
雷鳴が「ゴロゴロ」と聞こえ始めたときは、今いる場所にも落雷する危険がある。
雷雲が消滅するまでは、落雷のおそれがあることを覚えておこう。
雷は、海や平野、山等、場所を選ばずに落ちるが、グラウンドやゴルフ場、砂浜等の開けた場所や、山頂のような高い場所等では人に落雷しやすくなる。
できるだけ早めに、鉄筋コンクリートの建築物や自動車・バス・列車の内部等、比較的安全な空間へ避難したい。
人間の身体は、同じ高さの金属像と同様に落雷を誘引するといわれている。
そのため、身に着けている眼鏡や時計、ネックレスといった金属類を外したとしても、落雷を阻止する効果は変わらない。
雷は、少しでも高く・細く・突き出た場所に落ちやすい性質がある。
傘をさす、頭上に手を伸ばす、またゴルフクラブや釣り竿を高く振りかざすといった行為は大変危険なので、雷発生時は控えるようにする。
ゴム製の長靴やレインコート等の絶縁物を身に着けることは、電気に対して効果があるように見えるが、それらを身に着けていても、落雷する確率に変化は無いことが分かっている。
通常は電気を通しにくいゴム製品でも、雷の非常に高い電圧は防ぐことはできない。
雷鳴の音がかすかでも聞こえたら、その場にいつ落雷してもおかしくない状態だ。
近くに高いものがあると、その物体を通して雷が落ちる傾向があるので、高い木の近くからは2メートル以上は離れるなど、急いで安全な場所へ避難したい。
落雷の直撃の危険がある場合は、すぐに建築物や車へ避難することが大切だが、周辺にそのような空間を探せないときは、電柱等、高い物体のてっぺんを45度以上の角度で見上げる範囲で、その物体から4メートル以上離れたところに避難する。
ただし、高い樹木の近くは危険があるので、木から2メートル以上離れて、落雷の直撃リスクを軽減したい。
遠くから雷鳴が聞こえ始めたときに、速やかに避難行動をとることが大切である。
音は1秒間に約340メートルも進むので、稲光を見てから音が聞こえるまでに少し間隔があったとしても、数キロ先では雷が起きている可能性がある。
屋外での避難時は、雷鳴後30分たって次の雷鳴が聞こえなくなるまでは、屋外に出ないようにしたい。

素敵な夏休みを過ごされることをお祈りしている。


残暑お見舞い申し上げます
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空のドーナツ
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