寺島尚正 今日の絵日記
2024年7月22日 梅雨明けの景色
18日、気象庁は「関東甲信地方と東海地方が梅雨明けしたとみられる」と発表した。
平年より1日早い梅雨明けである。
また21日(日)午前、中国地方と近畿地方が梅雨明けしたとみられると発表された。
梅雨明けと同時に連日の暑さである。
こちらを記している21日、都心は34.1度まで上がり、22日の熱中症警戒アラートも発表された。
ところで関東甲信地方の梅雨期間は6月21日から7月17日にかけての27日間となった。
関東甲信地方で梅雨の間が30日未満となったのは、2018年(梅雨期間:23日)以来6年ぶりだ。
梅雨が比較的短いと気になるのは降雨量。
梅雨入りした6月21日から昨日7月17日までの梅雨期間降水量(速報値)は、関東南部と甲信多くの所で平年より多く、東京都心では245.5ミリと平年値(156.4ミリ)より100ミリ近く多くなった。
首都圏の水瓶、水資源状況を調べてみると、
利根川水系上流9ダム貯水率93%
利根川水系鬼怒川4ダム60%
荒川水系4ダム99%
多摩川水系 小河内ダム 88%
相模川水系3ダム96%
とある。
東京都の水源を見ると、約8割が利根川水系及び荒川水系、約2割が多摩川水系といわれるが、7月19日現在で、
前年同日量92.7 %
前々年同日量96.1%
とある。
ところで、日本の降水量は多いのか少ないのか。
調べてみると日本の年平均降水量は1,670ミリメートルで、世界の年平均降水量約1,170ミリメートルの約1.4倍となっている。
しかし、国土が狭く人口が多いため、国民1人当たりにしてみると約5,000立方メートルであり、1人当たりの世界平均約20,000立方メートルの4分の1程度となり、諸外国に比べ必ずしも恵まれているというわけではない。
また、日本の降水量には地域差があり、東京が位置している関東臨海地域の年平均降水量は1,660ミリメートルで全国平均を下回っている。
日本の地形は急峻なため、河川の流域が狭く、こう配も急だ。
このため、河川の流量の変動が激しく、雨が降ると急増し、雨が止むとたちまち減少してしまう。
日本の気象特性から、河川の流量は梅雨期、台風期及び雪解けの時期に多く、季節によって大きな開きがある。
こうしたことから、日本は、水利用を図るには不利な条件にあるといえるのである。
故に、ダムを活用し、貯水の必要性が唱えられるのだという。
都心は土曜夜ゲリラ豪雨に見舞われたが、都心に降った雨は貯水できず海に流れてしまう。
降りすぎは災害の原因になるが、首都圏の水瓶などに適度な降雨は必要だ。
この夏も水不足や電力不足にならないよう願うばかりである。