寺島尚正 今日の絵日記
2024年6月17日 梅雨彷彿
近所の湿地ゾーンでは、半夏生の群生が、いよいよ今週末、梅雨入りの気配を感じさせている。
一方、前夜から雨が落ちていた日曜、午後は青空が広がった。
蒸し暑い中、日光浴がてら近くのスーパーをのぞいてみた。
入り口には、今では1年中作られる「焼き芋」のケースが蒸し暑さを増幅させている。
その奥には、緑色と黒の「スイカ」があり、季節でも表しているのかと思い視線を移動させると、大きな籠の中には、小ぶりの赤と黄色の2色の「リンゴ」が置いてあった。
もう青果から季節の判断をするのは不可能である。
「この時期にリンゴ?何処で作っているの?酸味が強いの?」
様々な疑問が湧いてきた。ポップには「ジャズリンゴ」とある。
洒落た名前ではあるけれど、小ぶりなところから酸味が強いと勝手に考え、手は出せなかった。
部屋に戻り調べてみた。
するとどうだろう、ニュージーランドのリンゴだったのである。
日本とニュージーランドの季節は逆のため、ジャズりんごのシーズンは5月中旬から8月中頃だという。
ジャズりんごは、ニュージーランド生まれの「ロイヤルガラ」と「ブレイバーン」を交配させて育成した品種で、ニュージーランド国内で最も日照条件のよい地域で栽培され、真夏の太陽から果実を守るために、りんごの木の葉を落とさず栽培され、小ぶりのサイズで、赤と黄色のツートンカラーの皮が特長だ。
ジャズりんごは、「サクッ」とした食感、甘みと酸味の絶妙なバランス、さっぱりとしたジューシーさが特徴で、冷やして食べれば、日本の蒸し暑い夏の健康的なおやつに最適でワックスを使用していないため、さっと洗ってそのまま皮ごと食べることができる。
りんごの皮と実の間に多く含まれていると言われている「食物繊維」や「ポリフェノール」、「ビタミンE」 等の様々な栄養素を余さず摂取することが可能なのだ。
ジャズりんごは2021年5月に日本初入荷。
名前の由来は、ジャズを聴いて育ったのではなくて、「食べるとサクサクとフレッシュで爽快な味わいが口の中に広がり、思わずスウィングしたくなる」ので、ジャズ(Jazz)という名前が付けられたそうである。
日本の輸入りんごの97%がニュージーランド産であり、日本向けに輸出されるジャズりんごは、有数な生産地の中でも品質管理が徹底されている北島東岸のホークスベイ産。
リンゴ好きの友人に聞くと、やはり知っていた。
知人によると、「初夏のこの時期、国産のりんごと言えば、主に青森県の貯蔵りんごしかない。
貯蔵技術の発達により品質は格段に良くはなってきているが、やはり旬のりんごとは違う。
9月頃に出荷される国産の早生品種まで待ちきれないリンゴ好きの方にジャズりんごは人気」なのだそうである。
次回は是非食してみよう。
スーパーからの帰り道、ハイビスカスが太陽を見上げていた。
なぜかほっとした。
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