浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2024年4月22日 花曼荼羅

大型連休が近づき、街は、赤やピンクそして白色などのツツジが咲き誇り、その見事な咲きっぷりに、思わず足を止めてしまうほどである。
私が小さい頃は、生け垣などに利用され、地味に咲いている存在だった。
花の蜜を吸って遊んだ記憶も残っている。
それが今では「ほら、見て!」という咲き方だ。

調べてみると、ツツジ科の植物は4,000種類以上もあるとされ、国内では数十種類の原種ツツジが生息しているようである。
花の色は赤色やピンク色、オレンジ色や白色など豊富で、種類によって花の大きさも変わる。
ツツジは一重咲きが多いのだが、種類によっては八重咲きの種類もある。
また、生垣などの地植えだけではなく、鉢植えでコンパクトに育てられる種類もあるという。

毎年疑問に思うのは、ツツジとサツキの違いである。
サツキはツツジの一種であって、ツツジ属ツツジ亜属ツツジ節に含まれる。
ただ、いくつか違いがあるのだ。

先ず「開花時期」
ツツジは4~5月、サツキは5~6月に花を咲かせる。今はツツジということになる。
「葉」
ツツジの葉は柔らかく、葉の裏に毛がある。一方サツキの葉は硬く、光沢がありつるつるしている。ツツジの葉の方がサツキに比べて大きい。
「花」
サツキに比べて、ツツジのほうが大きく立派。サツキのほうが小さいが、多くの花を付ける。
咲き方にもそれぞれ違いがあり、ツツジはつぼみが同時期に一気に開花するのに対して、サツキは少しずつ時期をずらして咲き始め、1週間ほどで全てが開花する。
「ツツジ」は花が咲いた後に新葉が出るが、「さつき」は先に新芽が出てから花が咲く、ともある。
今度しっかり観察したい。

また、それぞれ漢字にしてみると、つつじは「躑躅」と書く。
「躑(てき)」は、たたずむ、行きなやむ、あしぶみする、「躅(ちょく)」も、あしずりする、といった意味で、「躑躅(てきちょく)」とは、歩行の進まない状態、あしぶみを意味している。
意味としては諸説有り、、
「見る人が足を止めるほど美しい」が由来しているという話と、「羊がレンゲツツジを食べようとしたが毒があるためためらった」、ということからこの漢字がついたと言う話もある。
サツキは杜鵑(ホトトギス)が鳴く旧暦の5月頃に花を咲かせるので、それを意味する皐月からその名が付き、皐または杜鵑花(とけんか)とも書かれる。
いずれにしても、目を楽しませてくれる素敵な時期である。

盛りなる 花曼荼羅の 躑躅かな    高浜虚子


花曼荼羅
花曼荼羅

赤い海
赤い海

上を向いて
上を向いて

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