寺島尚正 今日の絵日記
2024年4月8日 満開
先週、東京の桜は満開が発表された。
このところ、ぐずついた天気で気温も上がらず、花冷えが続いていたが7日の日曜、待望の青空が広がった。
桜が見事な都内の公園では、老若男女様々なグループが、雨で湿っている芝生の上にビニールシートを敷き、ジャケットを脱いで目を細めながら冷たい飲み物を口にしている。
つまみはというと、「ポテトチップス」が多い。
風もなく、皆、袋をパーティー開けして車座の中央に据えていた。
近くのスーパーでは、「お花見のお供に」というポップの下にポテチが用意されている。
比較的大きい袋もあるが、60グラムの小さめの方にお客の手は伸びる。
それにしても、ポテトチップスの種類の多いこと。
袋や筒状の物を始め通常で50種類。
スーパーマーケット限定、コンビニエンスストア限定、期間限定、数量限定、地域限定、全て合わせると、年間で約100種類の味が発売されていると聞いたことがある。
そんなポテトチップスの湖池屋は先週、ポテトチップスなどのスナック菓子の賞味期限を2か月ずつ延長すると発表した。
ポテトチップスなど、ジャガイモが原料の商品は6か月から8か月に、「スコーン」など、トウモロコシ系の材料を使った商品は8か月から10か月に延ばす。
これによって店頭で販売する期間が長くなり、食品ロスの削減に繋がるという。
日本で発生している食品ロスは食品業界で習慣となっている「3分の1ルール」によって、納品期限、販売期限、賞味期限それぞれの段階で破棄が発生することがあり、消費者の手に届く前に販路を失うものも多い。
例えば、製造日から数えて6ヶ月先が賞味期限の食品の場合、最初の2ヶ月以内に卸業者は小売店に納品しなければならない。
しかし1日でも過ぎてしまうと、小売店から卸売業者を通して食品メーカーに返品されてしまう。
返品された食品は、ディスカウントストアに回されることもあるが、その多くは廃棄。
小売店は、その次の2ヶ月間だけ店頭に商品を並べることが許されるということだ。
湖池屋では、食品ロス削減の関心の高まりから、改めて製品の保存試験を実施し、データ検証の結果、賞味期限の延長が可能であることを確認した。
同時に、賞味期限の表記を「年月日」から「年月」のみに切り替える。
こちらは在庫の管理が簡略化し、配送業務の効率も上がる。
2024年問題で、トラック運転手の残業規制が4月から厳しくなり、作業の省力化が求められているからである。
なお、カルビーは、2019年10月から、「ポテトチップス」の賞味期限を、4ヶ月から6ヶ月へ延長している。
その際、酸化しにくいよう油の配合の変更や、原料や製造時の工夫をしたという。
ところで「ポテトチップス」の味で人気は「塩味(プレーン)」「うす塩」「コンソメ系」「のり塩」が4~5割で上位にあがっている。
味変もお勧めのようで、「マヨネーズ」「ケチャップ」「こしょう」「唐辛子」「柚子こしょう」「粉海苔」「チョコ」「レモン汁」が人気だと聞いた。
桜の木の下、高めの声で盛り上がっている女性6人のグループ。
弱い風が花びら数枚を宙に舞わせ、ゆっくり時間をかけて地上に降りようとする時、ショートカットの女性が、小ぶりのポテトチップスを口に運んだ。
それが花びらに接吻をする様でとても美しかった。
満開の 花の隙間へ 早鼓 星野石雀
- 4月 1日
- 4月 8日