寺島尚正 今日の絵日記
2024年4月1日 桜咲く
漸く東京の桜も開花した。
3月29日、気象庁は、東京の桜(ソメイヨシノ)が開花したと発表した。
平年より5日、統計開始以来最速タイだった去年より15日遅く、この10年間で最も遅い開花となった。
開花が遅れた理由は、3月の寒の戻りで蕾の成長が足踏みし、平年より開花のペースが遅くなったのだという。
「休眠打破」もうおなじみの言葉になってきたが桜は、暖かな春になると芽を出し、成長し、蕾をつけ、花を咲かすのではない。
桜は、葉が沢山ある夏には、次の春に咲く花の芽を出し、エネルギーを蓄え、葉をすべて落とす秋から冬の始めにかけて、成長を止め、眠りに入る。
その蓄えたエネルギーがある一定の期間の寒さを経験することにより、目を覚まし、春には美しい花を咲かせることができるのである。
春に咲く桜の花の芽は、その前の年の夏にはもうできているのだ。
一度できた芽は、冬の寒さを感じて目を覚まし、やがて暖かくなると成長し、春には美しい花を咲かせるのである。
花の芽が、眠りから覚めて、春に向けて成長していくためには「冬の寒さ」が必要なのだ。
そして、寒さが植物の眠りを打ち破り、成長させ、花を咲かせることにつながることを「休眠打破」と言う。
改めて、春夏秋冬の四季がある日本だからこそ、桜は美しく、綺麗に咲くことができるのである。
1年中、春や秋の様な気温で快適に暮らせたらどんなにいいだろうと思うことがあるが、冬の寒さに耐えたからこそ、春の喜びがあり、夏の酷暑をくぐり抜けたからこその秋の快適さを味わえるのだと感じる。
この土曜日曜、陽気の良さも加わって、桜の下は笑顔で溢れている。
自宅近くの桜を見上げれば、チラホラ咲き始めており、なぜかほっとした。
今年は早々に能登半島地震に見舞われ、重苦しい幕開けとなった。
しかし、それでも花は咲く。
北上していく桜前線が、被災された方達に束の間の安らぎをプレゼントしてくれることを願ってやまない。
けふまでの 日はけふ捨てて 初桜 加賀千代女
- 3月25日
- 4月 1日