浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2024年2月5日 箸技大会開催

2月3日土曜日、川口で、一般社団法人・国際箸学会による「第8回 箸技大会」が行われ、去年に続き司会を担当した。

「箸文化を学び、新しい箸文化を創り、箸を通じて世界中の人と共に喜ぶ」

こちらが設立趣旨である。世界の30%の人が使う箸。
去年は、まだコロナ対策のため、限られた人数でしか行えなかったが、今年は、去年の倍近いエントリー。
会場も格段に広くなった。

箸技大会は、今年も
 箸ピー1分ゲーム(個人戦)
 箸を使って、ピーナッツ(レプリカ)を何個移動できるかを競うゲーム。

 箸リン1分ゲーム(個人戦)
 5つの箸の技(はさむ・つまむ・ひらく・てんぷら・でんぐり)を使って5つのリングを何個移動できるかを競うゲーム。

 積みピー3分ゲーム(個人戦)
 ピーナッツを積み上げる競技。

そして 箸ピー駅伝ゲーム(1チーム5名の団体戦)が行われた。
こちらは50のピーナッツを移し終えたら、隣のメンバーにピーナッツと箸を渡していき、5人目の選手が終え、手を上げた時迄のタイムを競うものだ。
司会を担当しつつ、今回は箸ピー駅伝ゲームに加わった。

特別参加の我々チームは、メンバーの箸技経験ほぼ無しの5人。
1組、2組合わせて16チーム。
他のチームは、大会に向けて練習をしてきた面々が大多数だ。
ほぼ最下位が見えていて、諦めムードに包まれていたのだが、他にもう一組、即席チームが参加するという情報が入ったのである。
聞けば、航空会社の人達。箸技経験無しだという。
我がチームは、小躍りした。
「これで最下位だけは免れるかもしれない」という一筋の光明が見えた気持がしたのだ。
それまでは、国体のリレーに素人の自分たちが何故か出場する、そんな気分だった。
「参加することに意義がある」の精神以外、私達を支えてくれるものが無かったのだ。
それがどうだ、もう一組自分達と同じレベルのチームが出る。
恥ずかしさが半分になるのだ。
極めてレベルの低い目標ではあったが、「目指せブービー」、試合に臨んだ。
私は、5番手つまりアンカーだ。

試合開始の合図が鳴った。
会場は、大会の花、団体戦だけあって、辺りからも「がんばれ~!」の声援が飛び交う。
我がチーム、先頭選手は上場の滑り出し。
続いて2番手も冷静に豆を箸で運び、3番手に。
「これ、もしかしたら、もっと順位良いのでは・・」などと欲が出てくる。
その3番手が痛恨のピーナッツ場外逸脱。
大会ルールにより落とした豆は箸で拾わなくてはならない。
競技者からかなり離れた所まで元気に豆が飛び、拾い上げ、競技に戻るまでに少し時間を要した。
4番目にバトンタッチし、いよいよ私の番だ。
その頃には、他チームのアンカーが「はい!」と大きな声を出し、元気に手を上げていた。
「落ち着け、落ち着け」あと何チームが競技しているのか分からない中、兎に角ゆっくりでもいいからピーナッツを外に飛ばさないよう努めた。
途中から私の回りで「頑張れ」の声が大きくなった。
皆が私の箸裁きに注目しているのだ。
私は悟った。「しんがり」だと。

終わってみれば、予想通り最下位だった。
しかし、不思議と充実感に包まれていた。
「来年はここから這い上がってやる。他を蹴落とすのではなく、自分たちが向上すれば良いのだから」もうやる気が出てきた。
そして、表彰式。
今年から「小学生以下」「一般」「65才以上」の3部門に分かれたが、箸技に力を入れている長野の養護施設「愛育園」が去年同様「異次元」のスピードで「小学生以下」「一般」上位を席巻した。
入賞した愛育園の生徒に話を聞いてみると「僕、箸技やるようになってから、集中力が上がったみたいです。成績が良くなったんです!」と嬉しそうに話してくれた。
箸技は子供達に努力の向こうには喜びが待っていることを教えてくれた。
それは、年輪を重ねた人も同じ。
今年も箸技に参加した人達は、皆、生き生きしていた。
もう来年が楽しみである。

箸技大会開催
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