浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2023年10月10日 新しい仲間

10月8日は「寒露」。
野の草花に宿る露が冷たい空気によって霜に変わる頃、という意味である。
夜が長くなり、漸く朝晩涼しくなってきた。
今年は残暑も殊に厳しく、10月一杯は「夏」同然の暑さを覚悟していたが、彼岸を過ぎたくらいから、朝晩は過ごしやすくなり、9日スポーツの日、日中の最高気温は東京都心17℃の予想。東京都心の17℃は11月中旬並みの寒さで、昼間も厚手の上着が必要となりそうだ。
この夏の暑さ疲れで免疫力も弱っているのだろうか、新型コロナに加え、インフルエンザに罹患する人も増加している。
この寒暖差に気をつけなければならない。

さて、この3連休を使い、各地様々なイベントが行われている。
コロナが「5類」に変更されてから初めての秋である。
東京都港区では、増上寺境内や芝公園を使って「みなと区民まつり」が開催中だった。土曜は晴天、日曜は曇天ではあるが、何とか夕方まで空からの涙は落ちず、肌寒い中、地域のサークルや商店街などが出しているテントには大勢の人が集まっていた。
バザーあり、芋煮・玉こんにゃく・ポップコーン・綿あめなど、食べ物も港区主催ならではのリーズナブルな値段で販売されていて、笑顔でお祭り気分を楽しんでいた。
様々なエリアで催しが行われている中、港区役所エリアで行われていた「植木市」を覗いてみると、これまた安値で私がこの5年入手したかった植物を見付けた。
高さ60センチくらいの鉢植えである。
その植物は「オリーブの木」。
それなりのオリーブの木は、中々高価で購入意欲が湧かなかったが、今回は、まだ若い木ではあるが、元気なもので、値段も考えていた3分の1位の値札が付いていた。
私はキリスト教徒ではないが、オリーブは旧約聖書の中にも記されており、「幸せを呼ぶ木」といわれる。はるか昔から悪霊を払う平和のシンボルとされているのだ。オリーブの花言葉は「平和」「知恵」「安らぎ」「勝利」。
花言葉とはその植物の生育過程や、花のイメージから付けられた言葉。元々は17世紀ごろのトルコで「言葉や文字に頼らずに気持ちを伝えたい」という想いから始まった習慣のことといわれる。

まず「平和」
平和は旧約聖書の創世記に記載された「ノアの方舟」という物語に由来している。ノアの方舟で船にいたハトが地上からオリーブの枝を持ち帰ってきたことがきっかけで洪水が収まったというエピソードから「平和」の花言葉が付いた。

「知恵」
知恵はギリシャ神話の「女神アテナとポセイドンの覇権争い」という物語が由来。「女神アテナとポセイドンの覇権争い」の中に人々の役に立つものを選ぶという場面が出てくる。アテナは食用や薬用などいろいろな効果があるオリーブの木を選び、神ゼウスの評価やたくさんの人々の賛同を得られ、勝者になった。このエピソードで知恵という花言葉が付いたという。

「安らぎ」
安らぎは平和と同じ「ノアの方舟」のエピソードからきている。ハトがオリーブの枝を持ってきたことで平和が戻り、人々が苦しみから解放され安心することができた。そのため平和と同じように安らぎが花言葉に付いたのである。

「勝利」
勝利は知恵と同じ「女神アテナとポセイドンの覇権争い」が由来。アテナの選んだオリーブでポセイドンに勝利し支配権争いの勝者になったことから「勝利」の象徴となった。オリンピックをはじめとするスポーツの大会で優勝者に贈られるのは月桂冠と思っていたが、実は、本来スポーツの勝者に授与するべきものは月桂冠ではなくオリーブの葉で作ったオリーブ冠なのだ。

一方、月桂冠はというと、古代ギリシャのお祭り「ピューディア祭」にて名誉ある勝者に贈られたものなのだとか。
ピューディア祭は古代ギリシャ神話の太陽神アポロンのための祭儀で、アポロンの父はゼウスであることからこちらも神聖なお祭りとされていた。アポロンは詩歌・音楽・芸能・芸術の神でもあったため、文化芸術の各分野において優れたものにアポロンの聖樹であるローレルの葉で作られた月桂冠を贈ったとされている。
月桂冠は現在も「勝利」や「名誉」の象徴とされていて、例えばノーベル賞受賞者のことを「Nobel Laureates (ノーベルのローレルを冠された者)」と呼ぶ由来にもなっている。
また、国によっては修士課程を修了したことの証として、卒業式の際に月桂冠を身につける大学もあるそうだ。
いずれにしても、オリーブは縁起がいい。

ところで私が一番気に入っているのは、葉が空に向かって伸びている姿である。
葉自体は大きくないが、スリムな形の深緑が天を目指している、その佇まいに憧れるのである。
大満足でベランダにオリーブの木を置き、早速、インターネットで育て方を調べると、気がかりな項目を見付けた。
それは、「虫」が付きやすいということ。
丈夫だから虫も付きにくいと早合点していた。
確かに、オリーブは害虫に強いのだが、そんなオリーブを好んで食害する虫もいるのだ。
放置しておくと最悪の場合、枯れてしまうこともあるという。
以前育てていた植物は芋虫に葉を食べられ枯れてしまった。
毎日しっかりチェックをして、オリーブの緑から元気を貰おう。

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お元気で何より
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