寺島尚正 今日の絵日記
2023年9月11日 秋の気配
台風13号に伴う大雨の影響による、8日からの記録的な大雨で、福島県のいわき市と南相馬市ではあわせて1200棟を超える住宅が水につかるなどの被害が相次いだ。
また茨城県と千葉県ではあわせて3人が死亡したほか、浸水被害も多数。
被害に遭われた方にお見舞いを申し上げる。
茨城県内は8日に線状降水帯が発生して大雨となり、県北地域を中心に河川の氾濫や住宅への浸水、土砂崩れが相次いだ。
24時間雨量が282・5ミリと観測史上最大を記録するほどの大雨となり、市役所近くの川から水が溢れ市役所の地下にも水が流れ込み、電源機器の機能が停止した。
被害に遭ったのは、東日本大震災後の2017年に建て替えられた新庁舎。
防災機能を備え「震災復興の象徴」とされたが被災し、証明書の発行業務を休止するなど支障が出た。
また土砂崩れにより常磐自動車道の日立南太田-日立北インターチェンジ(IC)間は下り線で通行止めが続いている(10日17時現在)。
記録的な大雨で千葉県内では土砂災害や川の氾濫が相次ぎ、各地で被害が出ている。
千葉県や県内の自治体によると、土砂崩れが勝浦市やいすみ市、鴨川市、君津市、館山市、茂原市、市原市、大多喜町、睦沢町、それに長柄町で確認された。
また、床上浸水がいすみ市や鴨川市、市原市、南房総市、山武市のほか一宮町で起きた。
多くの住宅が浸水した千葉県茂原市のある住人は「正直、こんなに(高く)まで水が来るとは思わなかった。それも急だった」と驚きを隠さない。
平年の1ヶ月を超える雨量が半日で降るなどと、誰も想像していなかったはずだ。
JR外房線は記録的な大雨で線路脇の土砂が流れ出すなど被害が大きく、多くの区間で運転を見合わせていて、一部の区間については運転再開が今月14日以降になる見込みだという。
今回の被害は典型的な雨台風の被害と聞く。
台風13号は、結果的には上陸しないまま、熱帯低気圧に変わった。
台風と言えば、雨に加え風の被害を警戒するが、風の被害は少なくとも想定外の短時間に大量の雨を降らせる雨雲には、早めに安全なところに避難するし考えが及ばない。
今回、福島・茨城・千葉などにかかった雨雲が西にずれていれば、東京も大被害に遭っていたことは想像に難くない。
まだまだ台風シーズンは続く、備えを改めて確認しておきたい。
近くの寺の片隅に彼岸花が姿を現わした。
秋は進んでいく。
曼珠沙華季節は深く照りとほる 山口誓子