浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2023年8月28日 水あればこそ

今週金曜には「長月」になるというのに、東京は連日「真夏日」が続いている。
気象庁データを見てみると、今年、東京の猛暑日(35度以上)は7月に13回、8月8回の21回。
「真夏日」は7月6日から、これを記している8月27日まで53日続いている。

連日の暑さを受けて、懸念されているのが水不足。
首都圏最大級の群馬県の矢木沢ダムでは、8月25日時点で貯水率が38%となり、普段は水の中の土の部分がむき出しになっている。
首都圏に水を供給している利根川水系の9つのダム貯水率は、25日現在全体で67%。
全体の貯水率が50%を下回る見通しとなると、取水制限が検討されると聞く。
最大の貯水量を誇る「矢木沢ダム」の貯水率は、7月3日時点99%あった。
それが8月25日時点で38%に減少。ダムの水かさが17m減った計算だ。

日本列島を見渡せば、台風の影響で降水量が多かった所もあるが、関東に関しては平年より雨が少ないところが多い。
利根川上流9つのダムの貯水率を見ると、藤原ダム、八ツ場ダム、渡良瀬貯水池、草木ダム、薗原ダムが100%
相俣ダム68%、下久保ダム73%、奈良俣ダム64%、矢木沢ダム38%と、貯水率100%のダムもあるが、7割前後のダム貯水率が目立つ。
全体の貯水率は67%だが、50%を下回ると「取水制限」を検討するという。

「取水制限」が行われると私達の生活にどのような影響があるのだろうか。
ダムで溜まった水は河川を通って浄水場に運ばれる。その手前の川から取る水の量を制限するのが「取水制限」である。
取水制限にも段階があり、どの段階かによって影響というのが変わってくる。
取水制限10%では、目に見える影響はほぼない。
20%では、公園の噴水やプールの使用停止などとなる。
30%になると、高台の住宅で水の出が悪くなる。
さらに、取水制限をしても水不足が解消されない際には、断水などの「給水制限」の可能性がある。
27年前の1996年8月、東京は30%の取水制限に加えて給水制限も行われ、プールなどが休止となった。

今年の日本は、これまで台風の影響が非常に大きかったが、影響は局地的。
台風が通過したエリアは大変だったが、関東は台風を避けられた一方で、こういう害があるのだ。
上空の寒気や暖かく湿った空気の影響で関東甲信越では大気の状態が不安定になり27日夜にかけて雷を伴い激しい雨が降るおそれがある。
果たして水瓶に雨は降ってくれるだろうか。
八木沢ダムのある、群馬県みなかみ町の2週間天気予報を見る限りでは、雨が降ったとしても1時間に1ミリから3ミリ程。
このままの状態だと、節水について真剣に考えねばならぬ時期は遠くなさそうである。

水あればこそ
水あればこそ

お湿りはまだか
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