寺島尚正 今日の絵日記
2023年8月21日 涼やかに
暦の上では、立秋も過ぎ、今週水曜には二十四節気の「処暑」を迎える。
「処暑」は「暑さが終わる頃」という意味である。この頃には暑さの峠を越し、日中の蒸し暑さは残るものの、朝夕には涼しい風が吹く。
そして日が落ちて聴こえてくる虫の声に、秋の気配を感じるようになる頃となる。
確かに、夜間、虫の声は元気になってきた。
しかし、現実は日中の暑さが半端ではないし、朝晩も気温が下がりにくく熱帯夜も続いている。
こちらを記している日曜も、都心は最高気温が35度を超えた。
この夏、これで都心の猛暑日は21日。年間の猛暑日日数の最多記録を更新中だ。
今週も気温の高い状態が続く見込みで、東京都心では20日からの1週間、連日最高気温が35度以上の猛暑日が予想されている。
気象庁と環境省は20日、熱中症の危険性が高まるとして、関東では、栃木県、群馬県、埼玉県、東京都、神奈川県、「熱中症警戒アラート」を発表した。
「熱中症警戒アラート」は、熱中症の危険性が極めて高くなると予測された際に、危険な暑さへの注意を呼びかけ、 熱中症予防行動をとるよう促すための情報のことである。
熱中症警戒アラートの発表は、前日17時頃と当日朝5時頃の1日2回行われる。
アラート発表には熱中症との相関が高い「暑さ指数」を使っている。
暑さ指数(WBGT)とは、人間の熱バランスに影響の大きい気温、 湿度、 輻射熱の、3つを取り入れた温度の指標のこと。
輻射熱とは、日射しを浴びたときに受ける熱や、地面、建物、人体などから出ている熱で、温度が高い物からはたくさん出ているのだ。
暑さと言っても気温だけではないのである。
環境省は、この暑さ指数が28℃を超えると、熱中症患者が著しく増加すると分析している。
ではどうやって調べるのか。
東京・八王子の状況を調べたいとしよう。
まずインターネットで「熱中症警戒アラート」を検索する。そして「熱中症予防情報サイトー環境省」を見つけクリック。
すると、「熱中症警戒アラートの発表状況」がある。その下に日本地図が出る。
画面を下にずらしていくと、関東があり、東京をクリック。
地点を選択で、関東地方、東京を選び、地点で八王子を選択すると地域をクリックすると調べたい場所が出てくる。
例えば、20日の東京都八王子を検索すると、午後3時時点で暑さ指数32.1で「危険」とわかる。
因みに「危険」は暑さ指数が31以上のことである。
熱中症警戒アラートの発表は、暑さ指数が 33 を超えると予想されるときである。
すなわち「危険」になる基準をさらに超えた状態になる時に熱中症警戒アラートが発表されることになり、その時にはすでに熱中症になる危険性がかなり高い状態といえる。改めて、厳重な警戒が必要なのである。
熱中症は命に関わる重大な疾患。
けっして甘くみてはいけない。
助かったとしても、脳や腎臓、肝臓など、生命を維持する臓器に重い後遺症を残すこともあるそう。
同時に、熱中症は予防すれば必ず防ぐことができると言う。
予防のポイントは2つ。こまめな水分補給と室温が28度以下になるよう、エアコンを適切に使用することである。
残暑は続くが、近くの寺の境内では、ミンミンゼミが歌う中、「萩」の花が咲き始めた。それでも季節は動いている。