寺島尚正 今日の絵日記
2023年8月7日 4年ぶりの披露
東北を代表する夏祭りの1つ、山形の夏の風物詩「山形花笠まつり」が、4年ぶりに新型コロナによる制限のない形で5日から山形市の中心部で始まった。
一般の人や県外の人が自由に参加できる「輪踊り」も祭りを盛り上げているという。
今年は、各地4年ぶりに、制限のない本来の祭りを開いた所が多いことだろう。
ご多分に漏れず、東京・八王子の「八王子まつり」も4年ぶりに本来の規模で行われた。
八王子市は、令和2年に東京都内で初めての日本遺産に認定された。
「日本遺産」とは、地域の歴史的な魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーを国(文化庁)が認定し、ストーリーを語る上で欠かせない文化財を総合的に活用していくもので、東京都では初めて、唯一の認定である。
八王子市の日本遺産ストーリーのタイトルは、
「霊気満山(れいきまんざん)高尾山~人々の祈りが紡ぐ桑都物語~」。
「桑都」と称され、養蚕や織物で発展してきた八王子の歴史を、高尾山とのつながりによって、過去から現在、そして未来へと紡いでいく物語である。
誰もが知り世界が認める「高尾山」をはじめ、日本100名城に選ばれた国史跡「八王子城跡」や、来年は築城500年を迎える国史跡「滝山城跡」、また現在、国の無形民俗文化財の指定を目指している「八王子車人形」、そして関東屈指の山車祭りである「八王子まつり」など、29件の構成文化財を掲げて、魅力を語った内容である。
そんな「八王子まつり」には、精巧な彫刻が施された19台の山車が登場。
そのほか、市内の神社などに伝わる八王子市指定無形民俗文化財である獅子舞、夏空に響き渡る関東太鼓大合戦、浴衣姿の踊り手が甲州街道に集う民踊流し等、伝統文化の数々が繰り広げられた。
八王子まつりは、国道20号線(甲州街道)と西放射線ユーロードを主な会場としている。
甲州街道(国道20号線)を一時通行止めにして、沿道町会の19台の山車が巡行する。
大雪の際の通行止め(2014年2月)の時と「八王子まつり」以外では一般人が甲州街道のセンターラインを踏みしめることはほぼない。
違反をして、焦りながら街道を横切る際、無意識に踏むくらいだろう(勿論やってはいけないことである)。
山車を引く、祭半纏に身を包んだ老若男女の熱気を受け、こちらも汗しながら、甲州街道センターライン上を歩く時の非日常感を是非あなたにも味わって欲しい。
時折降った俄雨も祭りにとってはご愛敬。
寧ろ天からのシャワーと受け止めて「生き返る~」と喜んでいる。
改めて夏を実感する一瞬だった。
令和5年公式ポスターのキャッチフレーズは「三年越し―再び集う熱い魂」
全国各地の祭り人も同じ思いなのだろう、そう感じた。