寺島尚正 今日の絵日記
2023年6月26日 白に黄
25日、日曜午前、沖縄で梅雨が明けた。
平年より4日遅く、昨年より5日遅い梅雨明けである。
沖縄地方では夏空が広がり、最高気温30℃以上の真夏日が続出した。
梅雨明けした沖縄よりも気温が上がったのが、梅雨の晴れ間の関東甲信地方だ。
内陸を中心に真夏日になり、山梨県甲州市勝沼は33.6℃とこの日全国1位の暑さだった。
関東も埼玉県鳩山市32.9℃、群馬県桐生市32.8℃、栃木県佐野市32.6℃、群馬県伊勢崎市32.5℃、埼玉県熊谷市32.4℃など真夏日続出。
東京都心は30.9℃と、1週間ぶりの真夏日を観測した。
とにかく暑いのだ。
この先1週間は本州付近が梅雨前線の南側に入り、暖かく湿った空気が流れ込みやすくなるという。
この先は、気温・湿度ともに高く、蒸し暑さがレベルアップする。
暖かく湿った空気は大雨の元でもあるが、真夏のような危険な暑さをもたらすため警戒が必要。
最高気温30℃以上の真夏日の所が多いのだ。
東京都心も今週28日(水)から5日間連続で30℃以上の予想がでている。
また、沖縄だけでなく、九州~関東でも熱帯夜、つまり、夕方から翌日の朝までの最低気温が25℃以上になる夜が多くなる。
熱帯夜は熱中症になるリスクが高く、この先は昼間だけでなくて夜間も熱中症対策を万全にしなければならない。
対策例として、専門家は、締め切った室内では室温が高くなってしまうため、エアコンや扇風機を適切に朝まで使用した方が良いと指摘。
通気性や吸水性の良い寝具を使うのも勧めている。
また、寝ている間に汗をかくと水分が失われるため、寝る前にはコップ1杯の水を飲むように心がけ、夜間トイレに起きた際にも、水分補給も必要だという。
そのためにも、寝苦しい夜には枕元にすぐ水分補給をできるように水を置いておくとよい。
ところで、関東甲信の梅雨明けは、去年2022年は、速報値では平年より22日早い6月27日ごろだったが、9月の確定値で7月23日ごろとほぼ平年並みと修正した。
今月は東日本を中心に雨が多く、東京の雨量は平年の2.5倍の341.0ミリに達している。
6月の雨が300ミリを超えたのは2014年以来9年ぶりのことである。
今週、太平洋側は梅雨の晴れ間となり、非常に蒸し暑くなりそうだ。
7月になると状況は一変する。
非常に湿った空気が流れ込みやすくなり、梅雨前線の活動が活発になる見込み。
広い範囲で、雨量が多くなる可能性が高くなっている。
ところで、先週20日に最新の3か月予報が発表された。
それによると、今年の夏は梅雨末期の豪雨、猛暑に注意が必要だという。
最新の3か月予報(7月~9月)の特徴は、7月は九州から関東で、降水量は平年並みが多い予想という。
梅雨末期の豪雨が懸念される。
さらに、8月は西日本と東日本で平年より気温が高い予想。
ベースには、地球温暖化の影響で、地球全体の大気の温度が高いことがある。
また、冬に終息したラニーニャ現象の影響が残ることや、インド洋熱帯域の海面水温の影響を受けて、積乱雲の発生がフィリピン付近で多くなると予想されている。
そのため、太平洋高気圧が日本の南で西へ張り出すと考えられ、西日本と東日本を中心に厳しい暑さとなりそうである。
さらに、チベット高気圧が張り出してくるとより厳しい暑さになるという。
今年も梅雨末期の豪雨や猛暑への備えが必要だ。
今後、梅雨前線はさらに北上し、本州付近に停滞する見込みで、九州から東北地方にかけての広い範囲で、大雨となるおそれがある。
専門家は4年ぶりに発生したエルニーニョ現象が気になると指摘。
エルニーニョ現象が発生すると、梅雨前線が本州付近に停滞しやすくなり、日本海側で雨量が多くなる傾向がみられる。
そして、最も雨雲が発達しやすい場所が梅雨前線の南約300キロ。
高温多湿な空気が集中し、雨雲を極限まで発達させる。
この場所はこれまでにも線状降水帯が多く発生した。梅雨後半の大雨に注意が必要だ。
また世界気象機関(WMO)は、世界の平均気温と海面水温が前例のないレベルで高温になっていると発表した。
5月の海面水温は過去最高となり、2か月連続で記録を更新。
エルニーニョ現象の発生が水温のさらなる上昇を招いていて、冬にかけて異常高温が続くものとみられる。
年々、気温のように、海の水温も少しずつ高くなっている。
その割合はこの100年で0.6度とわずかに思える上昇だが、温暖化によって地球全体に蓄積した莫大な熱エネルギーの約90%を海が吸収している。
海は熱をため込む力が非常に強いため、近年は海洋貯熱量(海洋に蓄積された熱エネルギー)の増加に拍車がかかっているのだ。
そして台風への影響だ。
5月の熱帯低気圧積算エネルギーは過去最高となり、2015年の記録をさらに約10%上回った。
熱帯低気圧積算エネルギーとは、台風の活動度を示す重要な指標のこと。
各地に記録的な大雨をもたらした台風2号は一時、中心気圧が905hPa(速報値)となり、5月としては異例な強さまで発達した。
今年は4年ぶりにエルニーニョ現象が発生し、今後は発達が見込まれている。
エルニーニョ現象時は熱帯低気圧積算エネルギーが大きくなる傾向にあり、今年は台風が活発化するおそれがある。
紫陽花の淡い色彩から、白や赤という鮮やかな色の花が目に留まるようになってきた。
季節と共に花の色も移っていく。