浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2023年2月6日  左右対称 縁起良し

令和5年も1月があっという間に過ぎ、如月を迎え、立春となった。
この2月から変化したものの一つに「緊急地震速報に長周期地震動によるものが加わった」ことがある。
これまでの緊急地震速報は、予想される「震度の大きさ」によって発表されていたが、今回の発表基準の追加により、長周期地震動による影響が考えられる場合も、緊急地震速報が発表されることになった。
なぜ緊急地震速報の発表に、長周期地震動による影響が考慮されるようになったのか。

それは長周期地震動により人命に係る重大な災害が起こるおそれがあるから。
近年の高層ビルの増加により長周期地震動の影響を受ける人口が増加していること、また長周期地震動階級を予測する技術が進展し実用の域に達したといった理由が背景にあるという。
特に被災リスクが高まる20階以上のタワーマンションは全国に約1400棟あり、10年前の1.4倍に増えたといわれている。
実際に2011年の東日本大震災発生時、震源から約700km離れた大阪市は、最大震度3だったが、長周期地震動によって高層ビルのエレベーターが停止したり、内装材や防火扉が破損するなどの被害が発生した。
緊急地震速報が発表されたのにあまり大きく揺れないと疑問を感じた場合でも、長周期地震動による被害の可能性が迫っているのかもしれないのである。

長周期地震動とは、地震が起きると様々な周期を持つ揺れ(地震動)が発生し、このうち周期の長いゆっくりとした大きな揺れ(地震動)のことを長周期地震動と呼ぶ。建物には固有の揺れやすい周期(固有周期)がある。
地震波の周期と建物の固有周期が一致すると共振して、建物が大きく揺れる。
高層ビルの固有周期は低い建物の周期に比べると長いため、長周期の波と「共振」しやすく、共振すると高層ビルは長時間にわたり大きく揺れるのだ。
また、高層階の方がより大きく揺れる傾向がある。
長周期地震動は、マグニチュードが7以上の巨大地震で発生し、周期の短い波に比べて遠くまで伝わりやすい。
加えて、大規模な平野などの柔らかな地盤が厚く分布する三大都市圏などで増幅される特徴をもっている。
東京消防庁は、長周期地震動時におおむね10階以上で起こる危険性をあげる。
具体的には『家具類の転倒・落下に加え、「移動」が発生する』、 『机などの引き出し付きの家具は、引き出しが飛び出して倒れることがある』、 と指摘しているのである。

気象庁は新たに長周期地震動階級を策定。
「階級」は以下の4つに分けられる。
階級1 「室内にいた人ほとんどの人が揺れを感じるなど」
階級2 「室内で大きな揺れを感じ、物につかまりたいと感じるなど」
階級3 「立っていることが困難になるなど」
階級4 「立っていることができず、はわないと動けない。揺れに翻弄される」
2月1日からは「階級3」以上が予測された地域にも緊急地震速報が発表される。
つまり、発表基準はラジオの場合「震度5強以上または長周期地震動階級3以上を予測した場合」となる。
しかし、発表基準が新たに加わっても、私たちが取るべき行動、命を守る行動は変わらない。
今まで通りの対応を、落ち着いて迅速に行うことが大切だ。
緊急地震速報が出て、揺れが比較的小さくとも、高層ビルにいる方は長周期地震動に注意して欲しい。

緊急地震速報を見聞きしたらどうすればよいのか...。
〇頭を保護し体勢を低くして身の安全を確保する
〇揺れが収まるまで無理に火を消そうとしない
〇(ビルなどで)慌てて出口や階段に殺到しない
〇エレベーターは最寄りの階で停止してすぐ降りる
緊急地震速報の発表に新たな基準が加わることで、人命に係る重大な被害の軽減が期待される。
これを機に、家具やオフィス機器の固定など地震への備え、身の回りの安全を確認しておきたい。

左右対称 縁起良し<br />
左右対称 縁起良し

対策頑張っています<br />
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