浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2023年1月16日  梅が咲いたよ

寒中の行事と言えば、寒稽古。今年も各地で行われている。
一例を紹介すると、滋賀県守山市の琵琶湖では8日、新春恒例の空手の寒稽古が行われた。
約30人の参加者たちは、腰まで水につかり、その冷たさに耐えながら、日頃鍛えた技を披露していた。
9日には、福岡市東区の筥崎宮で、最低気温5.2度の中、空手道場の生徒たちが屋外で男子は上半身裸で寒稽古に挑んだという。
私も20年ほど前の2月、体験取材の為、褌一丁で寒中水浴びに参加した。
想像を遙かに超えた刺激を味わった。
寒稽古のニュースを見る度、あの時の衝撃が甦る。

ところで、寒中だから冷たいものだけかと思いきや、週末にニュースで、三重県伊勢市の栄野神社で「湯立神事」を伝えていた。
栄野神社で古くから伝わる「湯立神事」は、熱湯を浴びて熱さに打ち勝つことで心と体が清められるとされている。
神職が、長さ35センチほどのクマザサの束を湯に浸して参拝者に熱湯のしぶきを飛ばし、巫女も両手にクマザサを持ってしぶきを飛ばしながら、舞を披露した。
くまざさには神様の力が宿るとされていて、大釜を囲んだ参拝者たちは、しぶきを受けられるよう頭を下げながら1年の無病息災を願った。
「湯立神事(ゆだて)」とは、「湯立神楽(かぐら)」とも呼ばれる日本の伝統的な行事で、今日では祓としての要素が大きいが、古い時代にはむしろ禊としての要素が大きく、また神意を問うための占卜の手段としても重要視され、問湯(といゆ)と呼ばれていたという。

「湯立神事」は、日本各地の神社で行われてる行事で、その内容は神社によって異なっている。
例えば、神奈川県藤沢市の「白旗神社」などでは、玉串に見立てた枝葉を使用して、湯釜の中の湯を撒く。
長野県飯田市の「正八幡神社」などでは、煮えたぎっている大釜の中の湯を何と素手で撒くという。
その他、香川県丸亀市の「垂水神社」では、ご神体を湯の中につける。
さらに、神社によっては釜の中の湯を飲むことによって、無病息災が叶うとも言われており、持ち帰ることもできるという。
いずれにしても、少量、熱湯を頂くのである。
『新しい世界は厳しさを乗り越えてこそ見えてくる』ということか。
白梅が色と香りで『和み』を配り始めた。


梅が咲いたよ<br />
梅が咲いたよ

稽古でなく本番中<br />
稽古でなく本番中

  • twitter
  • facebook
  • radiko
  • twitter
  • facebook
  • pagetop
Copyright © Nippon Cultural Broadcasting Inc.All right reserved.