浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2022年12月26日 ハッピーホリデー!

今年もクリスマスを迎えた。
キリスト教徒でなくとも、日本では特別な日である。
24日、ある駅近くのケーキ店は、2つの列が出来ていた。
1つは予約注文、もう1つは当日注文の列である。
予約注文の列は30人位。当日注文は100人近く並んでいる。
当日の列は、3つに区切られていて、切れた後尾には「中継地点」というプラカードを持った係員が、店頭の列や人数を見ながらお客を誘導。
殿(しんがり)には「最後尾」の標識を掲げた店員が、赤いとんがり帽子をかぶって「こちらが最後尾で~す!これからお並びの方はこちらです!」を連呼していた。
一人暮らしであれば、別にケーキを食べずともクリスマスは過ごせるが、複数で暮らす人達にとっては、ケーキが夜を盛り上げてくれるのだろう。
列に並ぶ人達の表情は、皆明るく感じた。
そもそも、クリスマスにケーキを食べる習慣は、日本ではいつから出来たのだろう。

調べてみると、今から107年前、明治43年のこと。
不二家でクリスマスケーキは開業当時から販売していたという。
元々、横浜元町で創業者は「FUJIYA」(現・不二家)を立ち上げた。
横浜には外国の船も数多く寄港するので、外国人のシェフなどに頼み込んでケーキの作り方を教えてもらったようだ。
とはいえ、最初はなかなか売れなかった。当時は洋菓子を食べる習慣がなかったからだ。
当時のケーキのベースは、ドライフルーツと洋酒をたっぷり使って焼き上げたフルーツケーキ。
これに砂糖の衣をかけていた。現在のように生クリームは使っていない。
クリスマスケーキは、大正11年に2号店となる伊勢佐木町店がオープンした頃にはすでによく売れるようになっていて、クリスマス時季の店頭はあわただしい様子だったという。
戦後、冷蔵庫が普及するにつれ、ケーキを買って帰ることが当たり前になる。
クリスマス用のショートケーキの基本的な構造も昭和30年代にほぼ固まっていた。

因みに、ショートケーキとは、スポンジケーキをソース等と組み合わせたケーキやビスケットなどの総称である。
語源としてはお菓子の原料であるショートニングに由来するという説など、諸説ある。
ショートケーキは日本独自のスタイルで、海外にはないというから驚きだ。
不二家では大正時代に、やわらかいスポンジにクリーム等を組み合わせ、「ショートケーキ」を独自に考案した。
いつからイチゴを載せるようになったかは不明だが、不二家では昭和8年頃にはすでにイチゴを飾ったショートケーキが販売されていたという。
もともとイチゴは春の果物だが、ハウス栽培が進んだことで1年中使えるようになった。
近頃は家族の人数も減ってきているため、S、M、Lに加えてSSサイズのケーキを作るなど、時代ごとのニーズにも合わせているという。
クリスマスケーキに歴史あり、今宵私もケーキを頂こう。

ハッピーホリデー!
ハッピーホリデー!

サンタクロース色<br />
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