浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2022年12月19日 今年も登場!

今年もスーパーに、おせちお正月セットが登場した。
「紅白蒲鉾」、「伊達巻」、「なると巻」のオーソドックスなおせちセットが1000円以下で並んでいる。
私が目にしたのは、新潟に本社がある企業のセット。
賞味期限は1月3日。半月近く持つのだ。
それにしても、正月、日持ちするというほかに、何故練り物なのか。
どうして「かまぼこ」なのだろう。調べてみた。

「かまぼこ」の半円形は、形が元旦の日の出に似ていることから非常におめでたい食材といわれ、昔から重宝されている。
特に、おせち料理に使われる紅白かまぼこの赤は「魔除け」、白は「清浄」を表し、さらに縁起的な意味が重ねられている。
「伊達巻き」は・・。
様々な説があるが、元々は長崎で「カステラかまぼこ」と呼ばれていたものが、江戸に伝わった際に「見栄えが良く洒落ている」という意味の「伊達もの」から取って、「伊達巻」と呼ぶようになったともいわれている。
巻物の形をしていることから、学問が成就するようにという意味も込められている。
見た目が美しく、おせちを華やかにしてくれる料理として欠かせないのだという。

では、雑煮に入れる「なると」はお正月に何故必要か・・。
「なると」の縁起がよいといわれる由縁は、渦巻き模様がひらがなの「の」に似ており、それが「のし」につながること、加えて紅白だからのようだ。
のし(熨斗)とは、結婚式の内祝いなどフォーマルな贈り物に添えられる飾りのこと、つまり目出度いのである。

おまけに「なると」と「かまぼこ」とどう違うのだろうか。
「なると」は、うずまき模様のある円筒状の練り物「鳴門巻き」のこと。
名前は、徳島県・兵庫県の鳴門海峡で発生する「鳴門の渦潮」が由来だ。
主な生産地は静岡県焼津市。
製造法は、スケトウダラなどの白身を攪拌してすり身にし、切った時に渦巻き模様が見えるよう白いすり身とピンク色のすり身を重ねて円筒状のかまぼこを作り、すだれで成形して加熱する、というもの。
つまり「なると」は「かまぼこ」の一種で、広義に言えば同じ物。
食感としては、「なると」にデンプンがより多く含まれているので、かまぼこ以上にしっとりしていると表現する人もいるようだ。

縁起が良いとは、辞書で調べると、「何か良いことが起こりそうな様子、そのような印を見た、という場合に用いる表現。吉兆であるさま」とある。
新年早々、食べるものから良い気持ちになるなんて最高のスタート。
ご先祖様は、素晴らしい風習を編みだしてくれた。感謝。

今年も登場!
今年も登場!

並ぶからには訳がある<br />
並ぶからには訳がある

冬の竹芝から
冬の竹芝から

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