浜美枝のいつかあなたと

毎週日曜日
 9時30分~10時00分
Mr Naomasa Terashima Today Picture Diary

寺島尚正 今日の絵日記

2022年11月28日 スタート前

11月最後の日曜日、山梨県富士河口湖町で『第11回富士山マラソン』が行われた。
河口湖と西湖を巡る42.195キロのレースである。
平坦プラス河口湖から西湖に向かう際、高低差100メートル近い登りや下りが加味された、好きな人にはたまらないコースとなっている。
何より、紅葉シーズンと雪を頂いた富士山を見られるとあって海外からの人気も抜群の大会だ。
例年、午前9時ピストルの合図とともに10.000人を超えるランナーがそれぞれの申告タイム目指して力走する。
しかし、折からのコロナの影響で2020年はバーチャルで開催。
去年は人数を制限してのレースとなった。
今年は、参加者を半分などとは制限しない形をとったが、やはりコロナの心配があると見えて、エントリーは控えめ。
それでも5000人近いフルマラソンランナーが、生き生きと力走した。
天気は快晴。
気温も一時、15度まで上がり、ランナーからしてみると少し暑かったようだ。

レースは、登録者という陸上競技の経験があるカテゴリーの選手が優勝争いをするが、一般のランナーは、自分との闘いである。
途中、苦しさや痛みで何度も挫けそうになる気持ちを、目標タイムの時間内へ導いてくれるペースランナーの励ましもあって、何とかフィニッシュを目指す人が多い。
スタート時は笑顔で飛び出していく面々も、フィニッシュ手前までは苦しそうな表情。
しかし、ゴール手前最後の直線に入ると、一様に、ほっとした表情や、声を上げながらフィニッシュ地点に飛び込んでいく。
目標タイムを上回ったランナーだけでなく、思い通りの結果を出せなかった選手でも、活力が漲ってくるのだ。
皆、走り終えた達成感は格別なものだと言う。

レース後、河口湖の駅まで足を引き摺りながらの列ができる。
そんな人の会話が耳に入ってくる。
一様に、穏やかな顔で嬉しそうに「この達成感がたまらないんだよな」と発する。
私は実況というお手伝いをしているが、レース後、参加者の満ち足りた表情を見るにつけ、やり甲斐を感じている。
河口湖駅の向こう側に見える富士山を眺めながら、「来年も選手の皆さんが、ベストを尽くせますように」そう願った。

スタート前<br />
スタート前

晩秋の河口湖
晩秋の河口湖

故郷の風景
故郷の風景

朝日を浴びて
朝日を浴びて


  • twitter
  • facebook
  • radiko
  • twitter
  • facebook
  • pagetop
Copyright © Nippon Cultural Broadcasting Inc.All right reserved.