寺島尚正 今日の絵日記
2022年10月10日 ペットボトルの
10月の3連休前日の金曜、関東では朝から気温が上がらず、冬のような寒さが続いた。
最高気温は16℃の予想だったが、午後3時に気温計を見ると11度。
雨も本降りのうえ、強風のせいで、窓ガラスを雨がたたく音を久しぶりに聴いた。
部屋に、セラミックヒーターを出し、早くもスイッチを入れた。
今年は、梅雨明け早々猛暑に見舞われ、体調を崩した方も多かったと聞く。
最も梅雨明けは、当初6月27日頃と速報値は発表されたが、確定値は7月23日頃となったのだが。
「こんなに早くから、セラミックヒーターをつけるのは初めてだ。電気代が気になるな」
ペットボトルの緑茶の蓋を捻り、1口飲みながら、そう考えた。
2口目を飲もうと、ペットボトルに口を尖らせながら近づけた時、
「そういえば、私が飲んでいるこの緑茶は日本茶なのだから、値上げはないのだろうな・・」
そんな想像が頭に浮かんだ。
「そうか、円安の影響や、国際価格の上昇を受けない物もあるか」
確かめようと調べてみると・・驚いた。
10月1日から伊藤園の600ミリペットボトルの値段は140円から160円に上がった。
確認しておくが、日本茶の茶葉は100%国産。
では何にコストがかかり上っているのか。
新聞によると、先ずは肥料。
茎や葉の成長を促す尿素は94%、塩化カリウムは80%。
複数を組み合わせた肥料は55%の値上げ。
その尿素と塩化カリウムの主要輸出国が、これまではロシアだった。
しかしウクライナ侵攻後、供給が滞った。
他の生産国も、自国優先で輸出規制。
当然と言えば当然である。
加えて、火入れ作業や運搬のためのエネルギー価格が高騰する。
ここまでの生産費に加えて重いのが、ペットボトルの費用だ。
原料の樹脂そのものに加え、海外からの輸送費が上がっている。
当然会社としては、コスト高の予想はしていて、トラックの積載スペースの効率化や商品数を絞るなど効率を高めているが、追いつかないというのが現状である。
日本の食糧自給率は2020年度、カロリーベースで37%、21年度は38%。
アメリカの自給率は19年度121%、オーストラリアは169%。
カロリーベースで計る意味など、様々意見はあるが、「国消国産」、これこそ今日本が大切にしたい言葉だ。
次の世代に日本を託すためにも、食の安全保障、しっかり考えていきたい。
「そうだ!」そう唱えるように、雨粒が窓ガラスを叩きつけている。